当記事では日本語文法における「文章」について解説します。
「文章」という言葉が指す意味や役割などを解説していきますので、ぜひおさらいしていって下さい。
また日本語文法の全体像は下記の記事で解説していますから、文章についてだけでなく全体的におさらいしたい方は、併せて参考にしてください。

文章とは

文章とは、いくつかの段落が集まって作られた、何かのメッセージや物語を伝えるもの。当サイトでは「文章は、読みを動かすために書くもの」だと定義しています。
例えば下記のようなものは、どれも全て「文章」だと言えるでしょう。
- 小説
- ビジネス書
- 報告書
- 論文
- Webサイトのページ
文章とは読み手の心を動かし、場合により実際の行動へと結びつけるために書かれるものです。できるだけ読み手にとってわかりやすく、読みやすく書くよう意識できると良いでしょう。
「文」と「文章」の違い
普段よく混在して使われる言葉ですが「文」と「文章」は明確に意味が違います。
- 文:句点(。)から句点でまとまった、言葉の集まりのこと
- 文章:いくつかの段落が集まって構成されたもの
「文章」は何かしらのコンテンツとして成り立っているもので「文」はそれを構成する要素の一つだと覚えておくと良いでしょう。
わかりやすい文章を書くコツ

文章は「読み手を動かす」という目的で書かれる以上、読み手にとってわかりやすいものであるべきです。
ここではわかりやすい文章を書くコツを、いくつかご紹介していきます。
一文一義で書く
文章をわかりやすくするには、伝えたい事柄を絞ることが必要です。
「一文一義」あるいは「ワンメッセージワンテーマ」とも言われますが、そのお題目通り「一文では一つの事柄だけを伝える」という意識で書くと良いでしょう。
文末表現を工夫する
文末表現とは、文章の末尾の表現のこと。「〜です」「〜でしょう」などの表現を指します。
「です・ます調」か「だ・である調」のどちらかから選んで統一した上で、できるだけ同じ文末言葉は続けずに書くと良いでしょう。

係り受け関係を正しく整理する
係り受けとは、文中の言葉同士の関係性のこと。
まず「文中の述語以外の言葉は、すべて述語に係る」というルールが大前提として存在しており、それら言葉同士の関係性が「係り受け」と呼ばれています。
この係り受け関係を正しく整理するのが、わかりやすい文章を書くコツです。

「てにをは」を適切に使う
「てにをは」とは「助詞」を指す言葉。「僕は勉強をする」という文章であれば「は」と「を」が「てにをは(助詞)」にあたります。
「てにをは」の使い方を間違っていると、文章の意味自体が変わってしまうことも。ぜひ適切な「てにをは」を使って、わかりやすい文章を書いていきましょう。

「文章」以外の言葉の単位

次にもう少し大枠で見て「文章」を構成する「言葉の単位」について解説しておきます。
「文章」はあくまで言葉の単位のうちの一つですので、他の単位も併せて知っておいて下さい。
単語
単語とは、文章を構成するなかで最小単位の言葉のこと。文法的にいえば「自立語」あるいは「付属語」単体を指します。
例えば「今日は月が綺麗」という文の中では「今日」「は」「月」「が」「綺麗」という言葉を、それぞれ単語として扱います。

文節
文節とは単語単体、あるいはいくつかの単語で構成された、意味が通じる最小単位の言葉のこと。文法的に言えば、自立語と付属語で構成された言葉です。
例えば「私は|2年前から|ずっと|文章の|勉強を|している」という文では「|」で区切った言葉が文節の区切りになります。

文
「文」とは、句点(。)から句点までで構成される言葉の集まりのこと。最低限「独立語」だけ、あるいは「(主語+)述語」があれば成り立ちます。
例えば「明日は晴れると良いな」というような、メッセージを持つ言葉の集まりが「文」として扱われます。

段落
段落とは、一つ、あるいは複数の文が集まって構成されているブロックのこと。基本的には、話題が続いているひと続きの文をまとめて「段落」として構成します。
基本的には「読み手が読みやすいように」という視点で、段落分けを考えていくと良いでしょう。

まとめ
文章とは、いくつかの段落で構成された、読み手を動かすために書かれるものです。
普段書くときに毎回意識するというよりも、人に説明するときに正しい意味で使えるようにしておきましょう。
文章に関する基礎知識としては「文の成分」に関しても知っておいて損はありませんので、よろしければ併せておさらいしておいて下さい。
