当記事では、日本語文法における「指示語(こそあど言葉)」について解説します。
指示語の意味や種類、具体例をわかりやすくご紹介しますので、ぜひおさらいしていって下さい。
指示語(こそあど言葉)とは


指示語とは、モノゴトを指し示す際に使われる言葉のこと。代表的な指示語である「これ」「それ」「あれ」「どれ」の頭文字を並べて「こそあど言葉」とも呼ばれます。
また日本語文法の中の品詞分類で言えば、名詞の中の「代名詞」の一部が「指示語」として使われます。
主語や述語などが該当する「文の成分」には含まれない、独立した言葉のジャンルと捉えて下さい。
指示語の種類


ここでは指示語の種類を4つに分類して、具体例を挙げながらお伝えしていきます。
モノゴトを指す指示語
モノゴトを指す指示語は、自分を起点として近いものから遠いものまで指し示す役割を持ちます。
- 「あの」カフェに行こう。
- 「これ」が私の特技です。
- 「その」コップをとってほしい。
場所を指す指示語
場所を指す指示語は、自分を起点として近くから、遠いところまで指し示す役割を持ちます。
- 「あそこ」の看板を左に曲がるとカフェがある。
- 家は「どこ」にあるの?
- 「そこ」のコップをとってほしい。
方向を指す指示語
方向を指す指示語は、自分を起点とした方向を指し示す役割を持ちます。
- 「こちら」に歩くと、カフェがあります。
- 家は「どちら」の方向にあるの?
- すぐ「そちら」に向かいます。
様子を指す指示語
様子を指す指示語は、モノゴトの動作などを指し示す役割を持ちます。
- 「ああ」すれば上手くいく。
- 「そんな」ことで良いの?
- 「あんな」風にはなりたくない。
指示語の用法


指示語は主に2種類の用法で使われます。自然と使えていると思いますが、体系的にも理解しておいて下さい。
主語として使われる
「これ」「あれ」「ここ」などの代名詞は、主語として使われます。
「これを下さい」「あれが欲しい」「ここに行きたい」
「主語」の概要については、下記の記事も参考にして下さい。


修飾語として使われる
「この」「あの」「その」「ああ」などは、他の言葉を修飾する言葉「修飾語」としても使われます。
「この本」「あの頃」「その大きさ」「ああする」
「修飾語」の概要や役割については、下記の記事も参考にしてみて下さい。


指示語は避けるべき?


指示語はモノゴトを曖昧に指し示す言葉ですので、ある意味では「読者に解釈を委ねる言葉」でもあります。
上記の観点から、当サイトでは「Webライティングにおいては、指示語はできるだけ避けるべき」と主張しています。
指示語を避けるべきだと考える理由は3つあり、
- 具体性が減るごとに、コンテンツの信憑性も減る
- 読者に誤情報として伝わるリスクがある
- SEO対策の観点でよくない
上記の通りです。
例えば「あれ」が指している箇所の解釈が人によって異なってしまうと、情報が正確に伝わらなくなる可能性があります。
もちろん日常会話やエンタメなどで使う分には問題ありませんが「正確性」が必要とされるコンテンツでは、避けられるなら避けた方が良いでしょう。
(場合によってはビジネスメールなどでも、相手との齟齬がおきないよう避けるべきかもしれません。)
「曖昧表現」について下記の記事で解説していますので、あわせて参考にしてみて下さい。


まとめ
指示語は日常会話で便利に使える言葉です。
ただし使用に適さないシチュエーションもありますので、特に「正確性」を要するタイミングでは使いどころをよく検討してみて下さい。
指示語には「主語」や「修飾語」あるいは「名詞」「連体詞」などさまざまな文法が関わってきますので、あわせて下記の記事で「日本語文法」もおさらいしてみて下さい。

