日本語の名詞とは?代名詞、実質名詞、形式名詞、転生名詞の用法と具体例

当記事では日本語文法における「名詞」について解説します。

名詞には「実質名詞・代名詞・形式名詞・転生名詞」の4つの種類がありますから、それぞれの用法と具体例を分けてご紹介していきます。ぜひこの機会におさらいしていって下さい。

また日本語文法の全体像は下記の記事で解説していますから、名詞だけでなく全体的におさらいしたい方は、併せて参考にしてください。

時間割

\ この記事を書いた人 /

たくろー
Webディレクター
ライティングから編集、校正、ディレクション、SEO対策、アクセス解析、撮影、画像編集、Web制作と、なんでもやってるwebディレクターです。
現在はIT企業でインハウスSEO担当兼、メディア運営責任者・編集者として働きながら、札幌でWebライティングの講師として活動。「良いWebライターが増えれば仕事が楽になるなぁ」と思いながら、一人でひっそりと文亭を運営中。著書『Webライターが書いてはいけない文章28選』

名詞とは

名詞とは物事の名称をあらわす言葉のこと。

品詞には名詞も含めて全10種類がありますが、名詞はその中で唯一「単独で主語になれる」という特徴を持つ特別な言葉。もう少し文法的な解説を重ねると「活用がない自立語である」という特徴も持ちます。

要するに、それ単体で成り立ち、主役になれる言葉が「名詞」だと覚えておきましょう。

名詞句・名詞節との違い

名詞には、そのまとまりごとに別の呼び名があります。

  • 名詞句:複数の言葉がまとまって名詞化しているもの
  • 名詞節:述語に係るひとまとまりの言葉を名詞化したもの

これだけではわかりにくいので、例文をご覧ください。

スーパーの横で、かわいい犬が吠えているのを見た。

上記例文では、

  • 名詞句:「かわいい犬」など
  • 名詞節:「かわいい犬が吠えているの」など

になります。要するに、名詞を中心にある程度の意味が通じるようにまとめられた言葉ですね。

日常的に使われるような言葉ではありませんが、こういった概念があるとだけ知っておいて下さい。

名詞の種類

名詞は大きく4つの種類に分けられます。まずはそれぞれの意味について理解しておいて下さい。

実質名詞

実質名詞とは、明確に何かのモノやコトを指し示す言葉のこと。

例えば「家」「エアマックス」「100m」などが実質名詞です。

実質名詞は、さらに「普通名詞」「固有名詞」「数詞」の3つに分類されます。

代名詞

代名詞とは、実質名詞の代わりに物事を指し示す言葉のこと。

例えば「私」「あなた」「そこ」「これ」などが代名詞です。

代名詞は、さらに「人称代名詞」「指示代名詞」の2つに分類されます。

形式名詞

形式名詞とは、広い意味合いで、あいまいに物事を指すような言葉のこと。

例えば「ところ」「もの」「ひと」「こと」などが形式名詞にあたります。

実質名詞や代名詞がミクロな視点の言葉だとすると、形式名詞はマクロな視点の言葉だと言えます。

転成名詞

転成名詞は、ほかの品詞が転じて名詞になった言葉のこと。

例えば「動き」「美しさ」「悩み」などが転成名詞にあたります。

文章をうまく操るには、転成名詞をうまく活用することが大切です。

名詞の用法と具体例

名詞は「単独で主語になれる」という特徴を持つレアな品詞ですが、他にもさまざまな用法があります。

文の成分としては「接続語」以外の全ての言葉として使えますので、その具体的な用法を見ていきましょう。

主語として使う

名詞のあとに「は」「が」「も」などの言葉をつけると、主語として使えます。

例文

文章は素晴らしいものです」
彼が私のパートナーです」
リンゴも、甘くて美味しい果物です」

もっとも自然に使っているのが、主語としての用法ですね。

述語として使う

名詞に「です・ます」「だ・である」などの文末言葉をつけることで、述語として使えます。

例文

「私はWebライターだ
「吾輩は猫である

こちらもごく一般的な「AはBである」という構文の用法になります。

独立語として使う

名詞は「倒置法」や「呼びかけ」の表現において、独立語として使えます。

例文

北海道、それは日本で最大の土地面積を誇る都道府県だ」
田中さん、この資料もお願いします」

呼びかけは日常的に使われますが、倒置法だと広告コピーや舞台のセリフなどで使われるような表現になります。

修飾語として使う

名詞に「〜に」「〜の」「〜で」「〜を」などの助詞をつけることで、修飾語としても使えます。

例文

Webライターを目指している」
プログラミングにハマっている」
ここで済ませてしまおう」

上記のような文章の場合、主語は隠れていますので、語り手や前後の文脈によって判断することになります。

主題として使う

名詞のあとに「は」「も」などをつけることで、主題としての役割も担います。

例文

象は鼻が長い」
僕もリンゴが好きだ」

主語が主役を示すのに対し、主題はその文の題目(テーマ)を示します。

実質名詞の分類と具体例一覧

次に、もっともよく使われる名詞である「実質名詞」の細かい分類と、その具体例をお伝えしていきます。

普通名詞

普通名詞とは、ごく一般的な物事の名称を指す言葉のことです。

具体例

「家」「山」「パソコン」「机」など

固有名詞

固有名詞とは、そのもの固有の名称を指す言葉のこと。名前や型番など、それと聞くと対象を絞り込めるような名詞を指します。

具体例

「MacBookAir」「Windows」 「東芝」「日本」「東京」など

数詞

数詞とは、数や量を表すときに用いられる言葉のことです。

具体例

「1個」「3つめ」「100m」など

代名詞の分類と具体例一覧

次に「代名詞」の細かい分類と、その具体例をご紹介していきます。

人称代名詞

人称代名詞とは、人を指し示すときに使われる代名詞です。

具体例

「私」「彼」「あなた」「あの人」など

指示代名詞

指示代名詞とは、ものや事柄を指し示すときに使われる代名詞です。

具体例

「あれ」「それ」「これ」「どれ」など

形式名詞の具体例一覧

形式名詞は、広い意味合いを持つ曖昧なものごとを指す名詞です。

「代名詞との違いがわかりにくい」とも言われる概念ですが、代名詞はあくまで具体的な対象を指すのに対して、形式名詞はあいまいな概念を指す、という明確な違いがあります。

例えば、

「今、起きたところだ」

上記文章の「ところ」が、形式名詞になります。概念的なものを示せる、便利な言葉ですね。

具体例

「ところ」「もの」「ひと」「こと」など

転成名詞の具体例一覧

成名詞とは、他の品詞が転じて名詞になった言葉です。

主に係り受けの関係や表現方法の関係で、動詞や形容詞、形容動詞などの言葉を言い換えたいときに使われます。

例文をご覧ください。

1)この歳でも、まだまだ動ける。
2)この歳でも、まだまだ動きは鈍っていない。

上記文はどちらも同じような意味を持っていますが、(1)では動詞として使っている「動ける」という言葉を、(2)では「動き」という転成名詞に転用して使用しています。

転成名詞は、このように表現を少し変えたいときなどに使える便利な言葉ですね。

具体例

動詞の転成名詞:「動き」「走り」など
形容詞の転成名詞:「白さ」「優しさ」など
形容動詞の転成名詞:「綺麗さ」「曖昧さ」など

まとめ

名詞はさまざまなシーンで使われる、大切な品詞の一つです。

ぜひ定期的におさらいして、正しい用法を身につけていって下さい。

記事をシェア
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
時間割