「たり〜たり」の意味や用法、間違いやすい例、言い換え表現

当記事では、日本語の文章表現における「たり〜たり」の適切な使い方を解説します。

実は間違えて覚えている方も多い表現なのですが、一度理解してしまえば簡単です。

「たり〜たり」の意味や用法、間違いやすい使い方、言い換え表現などをわかりやすくご紹介していきますので、ぜひ文章執筆の参考にして下さい。

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たくろー
Webディレクター
ライティングから編集、校正、ディレクション、SEO対策、アクセス解析、撮影、画像編集、Web制作と、なんでもやってるwebディレクターです。
現在はIT企業でインハウスSEO担当兼、メディア運営責任者・編集者として働きながら、札幌でWebライティングの講師として活動。「良いWebライターが増えれば仕事が楽になるなぁ」と思いながら、一人でひっそりと文亭を運営中。著書『Webライターが書いてはいけない文章28選』

「たり〜たり」とは

「たり〜たり」とは、並立関係にあるモノゴトを並べて紹介する際に用いられる文章表現のこと。原稿執筆でも、日常会話でも広く使われる表現です。

例えば「食べたり、飲んだり」「行ったり、来たり」など。

余談ですが「たり〜たり」の表現が語源になった『TARI TARI』というアニメもあり、コピーに「晴れたり泣いたり、あとは時々歌ってみたり」という文面が使われていたり、公式ブログのタイトルもすべて「たり〜たり」で統一されていたりします。

「たり〜たり」の間違った使い方

「たり〜たり」の間違った使い方

詳しい用法の解説に入る前に、よく目にする「たり〜たり」の間違った使い方をご紹介します。

今日は外回りに行ったり、会議をして過ごした。

上記は自然と使ってしまいがちな「たり〜たり」の例文ですが、この用法は間違いです。

並立関係にあるものごとを並べるときは「たり〜たり」と重ねるのが正解です。

上記内容がよくわかっていない方は、ぜひ当記事でおさらいしていって下さい。

「たり〜たり」の正しい用法

「たり〜たり」の正しい用法

「たり〜たり」には、大きく2種類の用法があります。

まずは前提知識として、正しい用法を知っておいて下さい。

並列で並べるときは「たり」を複数回重ねる

例文
  • 飛んだり走ったりする。
  • 図書館に行ったり、塾に行ったりして勉強する。
  • 僕は泣いたり、笑ったり、喜んだり、怒ったりする君が好きだ。

言葉を並列に並べる際に「たり」を用いる場合、かならず「たり〜たり」と「たり」を重ねるようにして使いましょう。

これは並列に並ぶ言葉が3つや4つになったときも同様です。

ものごとを並べて説明するときは、1回でも「たり」を使えばすべてに使う必要があると覚えておきましょう。

「たり」は単体で使っても問題ない

例文
  • 僕は今日、ブログを書いたりして過ごした。
  • 明日は買い物に行ったりしようかな。

「たり」は、単体で使うこともあります。

特に並立関係にあるモノゴトを並べるわけではなく、単体で使用する場合は、1回だけ「たり」を使っても問題ありません。

「他にも何かある」ような、少し含みを持たせたニュアンスになりますので、曖昧な表現にしたいときに用いると良いでしょう。

「たり〜たり」が用いられる例

「たり〜たり」が用いられる例

次に、実際に「たり〜たり」が用いられるシチュエーションを、例文をもとに解説していきます。

強調を表すとき

例文

飛んだり跳ねたりしている。

同じ意味の言葉を「たり〜たり」と繋げることで、その事柄をより強調できます。慣用句的に使われることがほとんどですが、覚えておきましょう。

目まぐるしさを表すとき

例文

雨が降ったり止んだりした。

正反対の事柄を「たり〜たり」と繋げることで、目まぐるしさを表現できます。文章を書く上で、言葉の引き出しとして有用ですので、いくつか覚えておくと良いでしょう。

あやふやな事柄を伝えるとき

例文

言ったり言わなかったりと、本当のことがわからない

正反対の事柄を重ねる「たり〜たり」は、あやふやな事柄を表現するシチュエーションでも使われます。こちらも抑えておきましょう。

いくつかの例を挙げるとき

例文

今日は買い物に行ったり、ジムに行ったりする予定だ

例としていくつかの事柄を挙げるときは「たり〜たり」と並べるのが有効です。「たり〜たり」の、もっとも一般的な使い方と言えるでしょう。

心配や呆れを含ませるとき

例文

飲みすぎたりしないでね。

心配や呆れを含ませるときは「たり」を1回使って注意を促すことがあります。こちらも日常的に使える表現ですので、抑えておきましょう。

説明を省略するとき

例文

今日は買い物に行ったりしたよ。

多くの事柄があるものの、代表して一つだけ伝えて説明を省略するときには「たり」を1回だけ使うことがあります。

他にあったことを匂わせたり、なんとなく隠したりする意味合いも含まれます。

予測や仮定を表現するとき

例文

そんなことして、事故に遭ったりしたらどうするの?

予測や仮定の事柄を伝えるときに「たり」を1回だけ使うこともあります。自然と使われる用法ですね。

言葉尻を柔らかくしたいとき

例文

そんな風に言ったりしたらダメ。

上記の文をもっと直接的に伝えると「そんな風に言ってはならない」「言ってはいけません」などになりますが、それらの言葉尻を柔らかくするために「たり」を用いることがあります。

主に会話の中で使われる表現ですね。

「たり〜たり」の言い換え

「たり〜たり」の言い換え

「たり〜たり」は、別の表現に言い換えることもできます。

多くの表現を知っておき、もっとも自分が表現したいニュアンスで伝えられるようにしておきましょう。

「〜や〜など」を使った言い換え表現

原文

お風呂に入ったり、ご飯を食べたりして過ごす。

言い換え

入浴や食事などをして過ごす。

「たり〜たり」を「〜や〜など」に言い換えることで、あいまいなニュアンスが少し薄れて真面目な印象の文になります。

言い換える際に「動詞を名詞に変換する必要がある」ことが関係していますので、それだけ注意しておきましょう。

今回は「お風呂に入る」という言葉を「入浴」に。「ご飯を食べる」という言葉を「食事」に修正しています。

「〜と〜が」を使った言い換え表現

原文

このスーパーは野菜が安かったり、惣菜コーナーが充実したりしているのが良い。

言い換え

このスーパーは野菜の安さと惣菜コーナーの充実度が魅力だ。

「たり〜たり」を「〜と〜が」に言い換えると、明確に言い切る文になります。

曖昧なニュアンスを伝えたい場合に使うのは少し違いますが、とくにWebで書く場合はSEO的にも言い切った方が有利な場合が多いため、この形式にも慣れておきましょう。

「〜や〜など」と同様に、動詞は名詞に変換する必要があります。

まとめ

「たり〜たり」は日常的によく使う表現ですが、間違って使う方が本当に多い文法の一つです。

とくにビジネスメールや原稿執筆などで書く際は、正しい文法で書けるようにしておいて損はありません。

下記の記事には、良い文章を書くコツを他にもまとめてありますので、あわせて参考にしてみて下さい。

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