当記事では、Webコンテンツ制作(Webライティング)におけるユーザーニーズの調査方法について解説します。
Webコンテンツの本質は、ユーザーの課題解決です。
対策するユーザーニーズを定めていなければ、何を解決しようとしているのかわからないコンテンツが出来上がってしまいますので、ぜひここで適切な調査方法を習得しておいて下さい。
ユーザーニーズとは


ユーザーニーズとは、ターゲットユーザーが抱える課題を指します。
例えば「文章力 上げ方」と検索する方は、文章力について何か課題を抱えていることがわかりますよね。
その「抱えている課題(ユーザーニーズ)」をできる限り具体化して、ピンポイントな解決策を提示するのが、Webコンテンツ制作におけるセオリーです。
Webコンテンツの企画をするときや、実際の執筆に入るときには、かならずユーザーニーズを調査して「そのコンテンツで解決する課題」を明確にしておきましょう。
ちなみに「ターゲットユーザー」とは、そのコンテンツで課題を解決するターゲットとなる人物像です。下記の記事で解説していますので、違いがよくわからない方は参考にして下さい。


ユーザーニーズの種類


ユーザーニーズは「顕在化した課題(顕在ニーズ)」と「潜在的な課題(潜在ニーズ)」に分けられます。
これら「顕在ニーズ」と「潜在ニーズ」を混同してしまうと、あまり良いニーズ調査にはなりませんので、かならず分けて考えていきましょう。
顕在ニーズ(顕在化した課題)
顕在ニーズは、その検索キーワードから直接的に読み取れる、表面的な課題を指します。
例えば「文章力 上げ方」であれば、以下のような顕在ニーズが考えられます。
- 文章力を上げたい
- 良い文章を書けるようになりたい
シンプルでわかりやすい課題です。
潜在ニーズ(潜在的な課題)
潜在ニーズは、そのキーワードを検索している背景にある、本質的な課題を指します。
例えば「文章力 上げ方」であれば、以下のような潜在ニーズが考えられます。
- ブログ記事を上手に書けるようになりたい
- わかりやすいビジネスメールを送りたい
- 小論文の点数を上げたい
- 素敵な手紙を描けるようになりたい
上記のように、人によって潜在的な課題は様々です。
これら潜在ニーズを調査した上で、自分たちのWebコンテンツではどのような課題を解決するのか、そもそも対策するキーワードはそのままで良いのか、といったことを検討する材料にします。
ユーザーニーズを調査するメリット


次に、ユーザーニーズを調査するメリットをお伝えしておきます。
ニーズ調査は手間がかかるものですから、手早く済ませたくなるタイミングが出てくるかもしれません。
しかしここで手を抜くと、結果的にゴールには遠回りになる可能性がありますので、よくよくメリットを理解しておいて下さい。
そのキーワードを対策する価値があるか検討できる
ユーザーニーズを調査することで、そもそもそのキーワードを対策する価値があるのか再検討するきっかけになります。
例えばクリスマスグッズを取り扱う店舗への集客を考えたときに「クリスマス 花」のキーワードを対策すべきか否か、ということです。
もしも「クリスマス 花」と検索している方が「クリスマスに飾る花を買いたい」というニーズを抱えているようであれば、そのキーワードを対策する価値があるかもしれません。
しかし「クリスマスに飾られる花とは?」という概念的なことを調べているニーズが大きいようであれば、もう少しキーワードを絞った方が良いのか、そもそも対策する価値があるのか、といったことを検討する材料になります。
流入してきても意味がないキーワードを対策するのは非効率ですから、ユーザーニーズ調査はコンテンツ制作のリソースや工数削減にも繋がります。
Webコンテンツ制作において、SEO対策に繋がる
実際にWebコンテンツを制作する段階で、あらためてユーザーニーズを調査することで、SEO対策に繋がります。
「Googleが掲げる10の事実」でも、一番目に「ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる」と書かれている通り、Google検索においては「そのキーワードで検索してきているユーザーの課題を解決できるコンテンツ」を上位に表示する傾向にあります。
よってユーザーニーズを絞り、あくまでそのニーズを解決するための記事構成でWebコンテンツを制作するのが、SEO対策において大切なのです。
これは「コンテンツSEO」と呼ばれる手法で、現代のWebライティングの現場では主流になっているテクニックです。


コンテンツ内の言葉選びに活かせる
また実際にWebコンテンツを執筆する際、言葉の選び方にもユーザーニーズ調査が役立ちます。
例えばユーザーニーズを調査した結果、その課題を抱えているのが「30代〜50代のビジネスパーソンの男性」が多いと分かったとします。
ならばその世代の男性にとって馴染みのある例をあげたり、ビジネスの現場でよく使われる用語を使ったりといった対策を施すと、より良いコンテンツになりそうですよね。
このように実際の執筆に入ってからも、ユーザーニーズ調査は活かされるのです。
ユーザーニーズの調査方法


それでは、ユーザーニーズを調査する具体的な方法をご紹介していきます。
今回は6つの方法に分けてまとめました。
サジェストキーワードを確認する
そのキーワードのサジェストキーワード(関連するキーワード)を調査することは、ユーザーニーズ調査のもっともベーシックな手法の一つです。
例えばGoogleキーワードプランナーを利用して「記事構成」というキーワードを調べると、以下のようなサジェストキーワードが出てきました。


「記事構成 作り方」「記事構成 例」「SEOライティング 構成」などが並びます。
この結果を見ると、記事構成について検索する方は「SEOに強い記事構成を作りたい」という課題を抱えている可能性があると読み取れました。
まずはこのようにキーワードツールを利用してサジェストキーワードを確認するのが、ユーザーニーズ調査の第一歩になります。


検索結果の上位にあるコンテンツを確認する
次に、実際にそのキーワードで検索して、Google検索の上位に表示されるコンテンツを確認するのも大切です。
検索上位に表示されるコンテンツは、つまりユーザーニーズを満たしている可能性が高い(と、Googleが判断している)のですから、参考にしていきいましょう。
とはいえ、コピペやパクリは厳禁です。参考にするのは主に2点。
- どんなメディアが、誰に向けて書いているのか
- どんな要素を含めた記事構成にしているのか
これらを確認すると、そのコンテンツが誰のどんな課題を解決しようとしているのか分かってきます。
そのコンテンツが検索結果上位に表示されているなら、その悩みを抱えたユーザーが多い可能性がありますから、大いに参考にできる情報だということです。
Yahoo!知恵袋を確認する
Yahoo!知恵袋というサービスがあります。ユーザーがお互いに質問したり答えたりできる「お悩み相談」的なWebサービスなのですが、これがユーザーニーズ調査で大いに役立ちます。
実際にその検索キーワードで検索してみて、そのワードを含む質問と、それに対する回答を見てみて下さい。ベストアンサーがついている回答が、そのユーザーニーズを的確に解決している可能性があります。
ユーザーニーズに加え、その課題の解決方法が一挙にわかる可能性がありますので、Yahoo!知恵袋もぜひチェックしておきましょう。
各種SNSを確認する
Yahoo!知恵袋と同様のことが、SNSでも繰り広げられている可能性があります。
例えばTwitterでは、何か疑問をつぶやいたときにリプライで答えが返されているかもしれません。
あるいはそのワードで呟いている方の他のツイートを確認することで、その方が日常的にどんな課題や悩みを抱えているのか見えてくる可能性もあります。
各種SNSも、ユーザーニーズ調査に利用していきましょう。
知り合いに聞く
ユーザーニーズを調査する上で、もしもそのワードに興味がありそうな知り合いがいれば、直接聞くのは良い手段です。
知り合いも「ユーザー」の一人ですから、その方が抱える具体的な課題や、その方の生活背景はとても参考になるかもしれません。
実生活の知り合い、友人、同僚、あるいはそれこそSNSで繋がっている方などに聞いてみるのは、良いユーザーニーズ調査の手法です。
アンケート調査を実施する
アンケート調査を実施するのも、ユーザーニーズ調査の手段の一つです。
費用がかかりそうなイメージがあると思いますが、例えばクラウドソーシングで1件10円でアンケートを発注すれば、1,000人に回答してもらっても10,000円で済みます。
毎回利用するのはコスト的に厳しいと思いますが、そのアンケート調査結果を記事の根拠にして質の良い情報提供ができる可能性もあります。
重要なコンテンツ制作の際には、アンケート調査の実施も検討してみて下さい。


ユーザーニーズの調査における注意点


最後に、ユーザーニーズ調査における注意点をお伝えしておきます。
主に「ニーズ調査後」の話題になりますが、あくまで適切な方法で調査結果を活かせるよう検討しましょう。
引用する際はルールを守る
ユーザーニーズを調査した上でコンテンツを制作すると、例えばTwitterやYahoo!知恵袋の内容を引用するようなケースも出てくるかもしれません。
その際、必ず引用ルールは守って下さい。
あくまで必然性がある場合に限り、根拠の一部として利用させていただきましょう。
あくまで現実的な方法で課題を解決する
いくらユーザーニーズを解決できるコンテンツを作りたいと思っても、その手法が無理矢理だと意味がありません。
例えば「効率よく体を鍛える筋トレ」というテーマの記事があったとして
「1kg〜40kgまでのダンベルを1kg刻みですべて自宅に用意して、鍛える部位によって細かく分けながら使っていきましょう。可変式ダンベルだと重量調整が面倒ですから、すべて用意するのがベストです」
などと解決策を提示しても、あまり現実的ではありません。
そういった記事は結果的にユーザーのためになっておらず、コンテンツSEOとしては弱くなる可能性があります。あくまでユーザーニーズに対して、現実的な解決策を提案できるようにしましょう。
反対にいえば、ユーザーニーズを調査した結果「自分たちが現実的な解決策を提示できる課題」ではないと判断したなら、コンテンツ制作を中止した方が良い可能性もあります。
コピーコンテンツは厳禁
なおユーザーニーズを調査した際、いくら良いコンテンツが公開されていたとしても、コピーするのは厳禁です。
法律的にもSEO的にも不利になりますから、あくまでオリジナルコンテンツを制作することを心がけて下さい。
オリジナルの良質なコンテンツを制作できないテーマであれば、結果的にそれはユーザーのためにならず、あまり良い結果につながらない可能性が高いかもしれません。
ユーザーニーズを調査した段階で「勝てる気がしないコンテンツ」が既に公開されていたら、そのキーワードを対策するのは諦めるのも一つの手です。
まとめ
ユーザーニーズの調査は、Webコンテンツ制作(Webライティング)においてとても重要なことです。
いくつか調査方法をご紹介しましたが、結局大切なのはその中身です。
ぜひ自分たちなりの効率の良い調査方法を見つけて、ユーザーニーズを調査していって下さい。

