当記事では、文章校正ツールである「文賢」をご紹介します。
個人的に、文賢は馴染み深いツールです。本業の仕事でも使っており、チームでライティングを行う際に、編集の手間を大きく減らしてくれています。
なのに「あまり使えない」という声もあり、導入に迷う方もいる。それはもったいないことです。
そこで今回は、文賢で夏目漱石の『こころ』を校閲・推敲して、実際の使い方を解説するとともに、その機能を検証してみました!明治に生きた大文豪に対して、文賢は果たしてどのようなアドバイスをしてくれるのでしょうか。
文賢の導入を検討している方は、ぜひご参考ください。
- 感情に左右されないフィードバックを受けられる
- 読み上げ機能を使えば音読確認しなくて済む
- 知らなかった言葉の勉強になる
- 導入費用が他のツールより割高
※この記事はPRを含む内容になっています。本ページのリンクから文賢へとお申し込みいただくことにより、当サイトへと広告料が発生する場合があります。
文賢とは
文賢とは、ウェブライダー社がリリースしているクラウド型の文章校正ツールです。
「文章表現へのアドバイス・校閲支援・推敲支援」の3機能がメインになっている、ライター業・編集業の強い味方とも言える存在。アカウントを増やせばグループで同じ校正辞書を使えることから、個人よりも会社で導入していることが多いかもしれません。
しかし今回あらためて色々と検証してみたところ、個人で活動するライターこそ使用すべきツールではないかと感じました。
初期費用は少々かかるものの、月額費用はわずかですから、ぜひ導入を検討してみてください。
文賢基本情報
販売元 | 株式会社ウェブライダー |
料金(税込) | 初期費用11,880円 月額2,178円 (※5ライセンス以上のまとめ買いで割引あり) |
支払い方法 | クレジットカード 銀行振込 |
解約方法 | ライダーストアマイページの「定期支払いをキャンセルする」をクリック |
返金 | なし |
文賢を使って夏目漱石の『こころ』を校正してみた
今回は夏目漱石の人気小説『こころ』の冒頭文を、文賢の「デフォルト辞書」にて校正にかけてみました。
※なお︎『こころ』はすでに著作権が切れており、掲載に問題はございません。
もちろん夏目漱石の小説は、一般的なブログ記事やビジネス文書とはわけが違います。しかし令和現代の文章ツールと、明治に生きた夏目漱石の文章がフィックスされたとき、どのようなシナジー効果が生まれるのでしょうか?大いに気になるところです。
では、文賢の機能をご覧ください。
文賢の「文章表現アドバイス機能」を使ってみた
まずは文賢の「文章表現」の機能を使ってみます。これは文中のシンプルな言葉を拾い上げて「他にもこんな表現がありますが、使ってみませんか?」とアドバイスしてくれるような機能です。
大文豪の文章に意見するとは、なんとも恐れ多いことですが、とにかく試してみました。以下の通りです。
583文字の冒頭文に対して、文賢先生からは7箇所のアドバイスをいただきました。
例えば「書く」の表現に対しては「紡ぐ」「編む」「綴る」など別の表現を提案してくれています。ただしこれはあくまで「類似する表現」を教えてくれるような機能であり、さすがに文脈を拾って適した言葉を提案してくれるわけではありません。
今回『こころ』に対して反映するのは、少々難しそうです。
しかしWebライティングやビジネスメール、手紙を執筆するシーンで利用すれば、より豊かな表現を教えてくれて勉強になる機能です。
文賢の「校閲支援」を使ってみた
次に校閲支援を使ってみます。校閲とは、要するに「稚拙な表現」や「誤表現」などを修正して、自信をもって公開できる状態まで整えることです。
『こころ』はすでに校閲されて世に出ているはずですが、何か文賢からのアドバイスはあるのでしょうか?こちらです。
1箇所見つかりました。「かねてから」が重複表現だとする指摘です。
「かねて」という言葉自体に「以前から」の意味を含んでいることから「『から』はトルツメすべき」だとするアドバイスでした。
- 友達はかねてから国元にいる親たちに〜
- 友達はかねて国元にいる親たちに〜
勉強になります。確かに「かねてより」「かねてから」などは慣習的に使ってしまいがちな表現で、まったく気づきませんでした。
文賢を利用すれば、このような一般的に間違えてしまいがちな表現を正してくれます。メディアの記事はもちろん、プレスリリース原稿やビジネス文書を執筆するシーンなどでも、喉から手が出るほど欲しい機能ではないでしょうか。
文賢の「推敲支援」を使ってみた
次に「推敲機能」を使ってみます。
「推敲」とは、より良い文章にするためにあらためて考え直すことを言います。編集業務とは、いわば「推敲」をすることがメインになりますから、編集者の手伝いをしてくれることに他なりません。結果は下記の通りです。
おどろくほど多くの推敲ポイントを提示してくれました。
例えば「その」「これ」など指示語が示す対象を明確にした方が良いとする指摘や、かなが続く箇所を読みやすくすべきではないかという指摘です。「同じ文末表現を3連続以上つづけているから散らしましょう」とするアドバイスもありました。
さすがに小説の文章には少々そぐわないアドバイスも含まれていますが、Webライティングやビジネス文書の作成においては、まさに編集者が指摘したいところばかりです。
もしも世の中の全ライターが、原稿を提出する前に文賢を利用することになれば、世の編集業務はかなり圧縮できるのではないでしょうか。
文賢の特徴とメリット
今回は夏目漱石の『こころ』にアドバイスをさせるという、少々ふざけた企画で文賢を使ってきました。
しかし、だからこそ、あらためて文賢を利用するメリットがはっきりと見えてきました。
感情に左右されないフィードバックを受けられる
校正ツール全般に言えることでもありますが、編集者の感情や感覚、好みに左右されないフィードバックが受けられるのは良い点です。
ライター業が長くなり、特定のメディアとの付き合いが多くなると、どうしても文章の書き方も偏ってしまうきらいがあります。しかし文賢をつかっていれば、ごく一般的なフィードバックを安定して受けられます。
もし夏目漱石くらいのレベルになってしまったときも安心です。誰も細かい文章なんて見てくれなくなると思いますが、文賢なら冷静なアドバイスをしてくれます。
日常的に文賢からフィードバックを受けられるのは、ライターとしてのキャリアを築いていく上で、大きなメリットになるでしょう。
読み上げ機能を使えば音読しなくて済む
実は文賢には「読み上げ機能」までついています。推敲にかけて修正した文章を読み上げてもらい、おかしくないかチェックできる。これはかなり有益な機能と言えます。
オフィスやコワーキングスペースなど、まわりに人がいるところでは、音読して原稿をチェックするのは難しいものです。とはいえ、一度は読まなければ語感やリズムを確認できません。
文賢が自分の代わりに読み上げてくれるのは、ライター業をしている人にとって、かなりのメリットと言えるでしょう。
知らなかった言葉の勉強になる
文献の主な3機能どれもが、自分では気づかなかった誤りや、これまで知らなかった言葉を教えてくれるような仕様になっています。
いつも「書く」と書いていたところ、文章表現のアドバイスをもらい、ちょうど使えそうなところがあって「綴る」にしてみる。気づかずつかっていた二重表現を改善する。
こんなことは、ずっと一人で書いていてはなかなかできません。
文賢を導入すると、定期的にあらたな言葉を教えてくれる「頼もしい先輩」ができるようなメリットがあります。
原稿提出先の負担を減らせる
文賢を活用することで、自分の文章を良くするばかりか、提出先の負担を減らすことにも繋がります。
これがライター業であれば、担当編集者が「提出先」に該当します。ビジネスのメールやプレゼン作成などで使うなら、上司が「提出先」に当たります。
あらかじめ最低限の校閲や推敲を済ませておくことで、もちろん相手の仕事が減り、自然と評価も高くなることが考えられます。
文賢を利用すれば、ビジネス上のコミュニケーションさえも円滑になる可能性があります。
文賢の使い方
最後に、文賢へ申し込んで使い始める方法をご紹介しておきます。
公式サイトから申し込みフォームへ
まずは文賢公式サイトへ。ページ内に「申し込みフォーム」がありますので、支払い方法や氏名、連絡先などを入力して申し込みます。
クレジットならペイパルを介した決済で、月ごとの契約が可能。銀行振込の場合、半年か1年分のまとまった支払いになります。
ライダーストアから必要なライセンスを購入
登録したメールアドレスへ諸々の情報が送られてきています。
ライセンス・支払いの管理は「ライダーストア」という専用ページで行うことになります。文賢のページとはログインページが別になり、あとから変更するときに忘れがちですので覚えておきましょう。
文賢ログインページからツールへ
ライセンスの整理などがすめば、あとは設定したアカウント情報で文賢へログインすれば、すぐにでも使い始められます。
まずはデフォルト辞書で使いながら、徐々に自分たちのメディアに沿った辞書を作っていくと便利です。
文賢の口コミ・評判
文賢の世間の評判を「良い口コミ」と「悪い口コミ」に分けてご紹介していきます。
文賢の良い口コミ・評判
文賢は「使っているうちに手放せなくなる」という声の多いツールです。
導入してすぐだと、機能の良さがわからないこともありますが、毎回使っているうちに「こんなに良いツールなのか」とスルメのように味が出てくる校正ツールです。
ぜひとも一度、導入してみてください。
文賢の悪い口コミ・評判
評価が高い一方で、やはり「初期費用が高い」ことがネックになっている方が多くいらっしゃいました。
確かに初期費用が税込11,880円というのは、個人ブロガーや駆け出しライターが導入するには少々お高く感じるお値段かもしれません。
しかし月額は2178円とVODのサブスク程度ですし、もちろん仕事で使うなら経費計上も可能です。
文章に行き詰まりを感じている方は、ぜひ一度導入を検討してみてください。
文賢は初心者ライターにこそおすすめ!
文賢は初心者ライターにも、提出先の編集者にも優しいツールです。執筆にかかわる全員の仕事を減らせて、それでいて月額2,000円少々という値段。かなりのコスパを感じます。
仕事で文章を書く機会が多い方は、ぜひ一度取り入れてみてください。