今回はWebライターの提案文に記載する「サンプル記事」について解説していきます。
案件を受注するための大切なものですので、良いサンプル記事を選び、丁寧に送れるようにしておきましょう。
Webライターのサンプル記事とは
Webライターのサンプル記事とは、ライティング案件へ応募する際、自分の力量をアピールするために添付する執筆原稿のことです。
一般的にサンプル記事として送るものは、下記4種類のいずれかです。
- 自分の運営するブログ・Webサイトの記事URL
- 依頼を受けて執筆した他社メディアの記事URL(記名の場合や許可を得た場合のみ)
- GoogleDocsに書いた記事の共有URL
- Wordで執筆した原稿のファイル添付(.docxや.pdf形式)
案件に応募する際の提案文に、自己紹介や執筆歴と同時に「執筆実績」としてサンプル記事を付けておくのが、ごく基本的な提出方法です。
サンプル記事が必要な理由
サンプル記事がなければ、実際にどのくらいの記事が書けるライターなのか判断してもらえません。
すでに著名なライターである場合や、クライアント側から依頼があった場合などは別ですが、少なくとも案件へ応募する際はサンプル記事が重要な武器になります。
多くのライターが提案文とともに送るものですから、送らないだけで選考に不利になる状況とも言えます。
サンプル記事の選び方
Webライターがサンプル記事を用意する際、なんでも良いわけではありません。自分の力量を正しく判断してもらうために、以下の条件に当てはまるものを用意しておきましょう。
応募する案件と親和性がある
ライターがサンプル記事を送る理由は、案件獲得のためです。応募する案件にとって、自分がふさわしい人材であることをアピールできるサンプル記事を用意しましょう。
例えば「転職メディア」の案件に応募する際、芸能人に関するゴシップ記事を送っても、あまり良い判断材料になりません。仕事に関するサンプル記事があればベストですが、最低限なにかのサービスをレビューした記事やノウハウ系の記事など、転職サイトで書くイメージがつきやすい記事を送りましょう。
手持ちのサンプル記事の中から、もっともアピールできそうな原稿を選ぶことが大切です。
綺麗な日本語で書かれている
サンプル記事として送る原稿は、一般的な「です・ます」調で書かれた、一般的なテーマのものを選びましょう。
例えば「〜なんです」「なっちゃいます」「ぶっちゃけ」など、口語や稚拙な表現が多い記事は、かえって悪印象になる可能性があります。とくにブログのURLをサンプル記事として送る場合は、くだけた口調であることも多いため、内容に注意が必要です。
正しい文法で書かれた、綺麗な文体の記事を送ると良いでしょう。
他者の編集が入っていない
他社のメディアで執筆した記事のURLを送る場合、メディア側の編集ができるだけ入っていない記事を選びましょう。
サンプル記事を送るときは、かならず提案文やポートフォリオの文章もセットで見られます。それらの自分で書いた文章と、サンプル記事の文章レベルがまったく違った場合「編集が入って見た目が良い記事を送ってきたんだな」と思われてしまいます。そうなると、依頼されることはほぼありません。
トラブルを回避するためにも、あくまでご自身の力量がわかる記事をサンプルとして送ることをおすすめします。
サンプル記事の送り方
ここでは、実際にサンプル記事を送るときの文例や注意点についてまとめました。
ブログURLを送るときと、仕事で執筆した原稿URLを送るときの2例に分けて解説していきます。
ブログをサンプル記事として送る場合
ブログをサンプル記事として送る場合は、ブログURLと、とくに読んでほしい記事のURLを1〜3つほどつけておくと良いでしょう。その際、対策キーワードや検索順位なども記載しておくと、良い判断材料になります。
■執筆実績
下記のWebサイトを自身で運営しております。
・北海道ログ
https://tklandphoto.com/
おもに退職や文章、ライター関連のキーワードで検索上位を獲得しております。今回の案件と親和性のある記事サンプルとしては、下記「Webライティング本おすすめ9選」の記事がございます。
https://tklandphoto.com/writingbook/(「Webライティング本 おすすめ」最高3位)
他社メディア掲載原稿をサンプル記事として送る場合
他社メディアから依頼を受けて執筆した記事を送る場合、メディア自体のURLと、許可を得ている記事のURLを送りましょう。権威性の高いメディアで執筆経験があるほど、具体的な記事URLを出せなかったとしても武器になります。
■執筆実績
NDAの観点より詳細な記事URLは割愛させていただきますが、以下メディア様で執筆させていただきました。
・QOOL(パーソナルジム、フィットネス情報メディア)
https://qool.jp/
・ENSPORTS magazine(恋愛情報メディア)
https://www.ensports.com/magazine/
一部ではございますが、掲載許可をいただいている記事URLを記載いたします。
https:〜〜(「◯◯」で検索順位◯位)
https:〜〜(「◯◯」で検索順位◯位)
Webライターがサンプル記事を送るときの注意点
最後に、サンプル記事を送る際に注意しておきたいことを解説していきます。
ファイル添付ではなくURLで送る方が親切
発注側からすると、ダウンロードして読む必要のファイルは面倒に感じることがあります。もちろんクライアントの性格にもよると思いますが、基本的にはURLをクリックするだけで読めるものを送ることをおすすめします。
納品済み原稿をサンプル記事にするなら許可を得る
過去にどこかのメディアに提出した原稿を、サンプル記事としてWordなどで送るケースがあります。その場合、かならず納品先に許可を得たうえで、許可を得ていることを明記して送ることをおすすめします。締結していたNDAに違反する場合がありますし、送り先には「守秘義務を守れないライターだ」と判断されてしまう可能性もあります。
あまり大量の記事を送らない
テンプレ化されていて、サンプル記事のURLを大量に掲載している提案文を目にすることがあります。クライアント側からすれば、いくつものサンプル記事に目を通す時間はありませんから、かえって印象が悪くなるかもしれません。
応募する案件にあわせて厳選したサンプル記事だけを送ることをおすすめします。
Webライターのサンプル記事を拝見する発注者の視点で一言
筆者はサンプル記事を送るというよりも、送ってきていただいたものを拝見する方が多い状況です。
そんなイチ発注者側から見ると、サンプル記事自体のクオリティ以上に「送り方」が大切だと感じます。
とにかく大量のサンプル記事URLを掲載している方、案件とまったく関係のないサンプル記事をテンプレート文と一緒に送ってくる方、言葉が足りずURLだけを貼り付けて送ってくる方などは、記事を見ずお断りすることもあります。一つの案件への応募が大量にきますので、すべてに目を通すことはあまりありません。
サンプル記事はいまの自分が出せる精一杯のものを選ぶとして、そもそも記事を読んでもらえる送り方ができるよう、工夫してみてはいかがでしょうか。
それでは、楽しくWebライターの仕事を始めていってください。