kindleで自費出版やってみた。方法や印税、必要な文字数まとめ

今回はKindleで自費出版してみた実体験をもとに、kindle出版に関するノウハウを解説します。

Kindleで本を出版するのは、多くの方が考えているよりも簡単です。とはいえある程度のクオリティを担保した本を制作して、ある程度多くの方に読まれるためにはコツが必要です。

そんな「Kindle出版」について、体系的にまとめてご紹介していきます。

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\ この記事を書いた人 /

たくろー
Webディレクター
ライティングから編集、校正、ディレクション、SEO対策、アクセス解析、撮影、画像編集、Web制作と、なんでもやってるwebディレクターです。
現在はIT企業でインハウスSEO担当兼、メディア運営責任者・編集者として働きながら、札幌でWebライティングの講師として活動。「良いWebライターが増えれば仕事が楽になるなぁ」と思いながら、一人でひっそりと文亭を運営中。著書『Webライターが書いてはいけない文章28選』

Kindle出版とは

Kindle出版とは、Amazonが提供している「Kindle direct publishing(Kindleダイレクト・パブリッシング)」のサービスを利用して、オリジナルの書籍を販売することを指します。

個人でも法人でも利用できて、出版社を通さず気軽に自費出版できることから、いま多くの方が採用している出版方法です。昨今では本の印税だけを目的にするのではなく、自身のブランディング趣味ホワイトペーパー的な用途など、さまざまな目的でKindle出版が活用されるようになってきました。

当サイト文亭でも、Kindle出版のシステムを活用して『Webライターが書いてはいけない文章28選』の書籍を制作・販売しています。書籍の内容や販売実績などは、下記のページをご覧ください。

Kindle本に必要な文字数

Kindle出版をするためには本を制作する必要がありますが、その文字数に制限はありません。極論1文字だけ、1ページだけの本でも、審査にさえ通れば出版できてしまいます。

もちろん、本当に1文字だけにすると「内容がない」として審査落ちするのが目に見えていますが、Kindle本を作る敷居自体はそれほど高くないと知っておいてください。

Kindle出版の印税

Kindle出版した際の印税は、下記の通りです。

  • 普通に販売する場合:販売価格の35%
  • KDPセレクトに登録した場合:販売価格の70%
  • Kindle Unlimitedで読まれた場合:1ページあたり0.5円程度

Kindle Unlimitedで読まれた場合の印税はタイミングにより変動しますから、あくまで目安です。

例えば1,000円で200ページある本を販売した場合、売れた場合は350円か700円。Unlimitedで全ページ読まれた場合は100円ほどが印税として入る計算になります。

Kindle自費出版をやってみて感じたメリット

そんなKindle出版のメリットは、大きく5つあります。

主に費用面で優秀なポイントが多く、書籍をミニマムに販売開始したい方にはとてもおすすめな出版方法です。

元出0円から書籍を出版できる

Kindle出版は、KDPを利用して書籍販売を開始するための費用が一切かかりません。在庫も不要ですから、ビジネスとして赤字になるリスクが極めて低いのは大きなメリットです。

もちろん出版する書籍を作るのは自分ですから、本を書いたり、表紙をデザインしたりする作業を外注すれば、その分の費用はかかります。

しかし「出版」という意味で、Amazonの販売ページに並べるのには、一切の初期費用が掛かりません。一般的な紙の書籍を作ることを考えると、Kindle出版には費用面でメリットがあると言えます。

一般的な書籍出版よりも印税の配分が高い

一般的な出版社を通して販売する本の印税は、だいたい定価の10%程度と言われています。

一方でKindle出版では、Amazon専売にすれば70%の印税を受け取れます。たとえ専売でなくとも35%の印税を受け取れますし「Kindle Unlimited読み放題」で読まれた分も、1ページあたりで印税が発生します。

もちろん出版社を通せば、装丁、企画、校正などに多くの方の手が入りますし、宣伝だってしてくれます。販売部数は伸びるでしょうから、一概にどちらが稼げるとは言えません。

しかし個人出版でミニマムに本を販売するなら、Kindle出版の高い印税率はメリットだと言えます。

Amazonの宣伝ツールを活用できる

Kindle出版を行うということは、世界最大の書店であるAmazonの本棚に「永年無料」で自分の本を並べられることと同義です。

しかもAmazon内のランキングページ、関連書籍などでは自動で宣伝してくれますし、無料キャンペーンなどの宣伝ツールも無料で活用できます。

Kindle出版を活用することで、Amazonという優秀なマーケティングプラットフォームを無料で利用できるのは、大きなメリットです。

権威性・信頼性につながる

「出版した本がAmazonでベストセラーを取ったことがある」と言うと、Kindle出版に詳しくない人からすれば凄いことのように聞こえますよね。

ブログのアクセスがどうとか、SNSのフォロワー数がどうとかいうよりも「書籍を出版したことがある」と言った方が、なんとなく信頼性を感じてもらえる可能性もあります。

Kindle出版は誰にでもできることなのですが、あまり事情に詳しくない人からすると「すごい!」と思ってもらえる材料になるのもメリットです。

売れたりレビューをもらえたりすると嬉しい

頑張って書いた書籍が売れたり、また「役立った」とレビューを貰えたりすると、それはとても嬉しいことです。

もちろんブログを読んでもらえたり、SNSで反応をもらえたりするのも嬉しいと思いますが、それとはまた少し違った喜びを感じられました。

自分の知識を誰かに役立てて欲しい方、自分の書いた文章で誰かに喜んでもらいたい方は、ぜひKindle出版にチャレンジしてみてください。

Kindle自費出版をやってみて感じたデメリット

実際にKindle出版を行ってみたことで、デメリットになる可能性のあることが見えてきました。それもお伝えしておきます。

一般人が大きく稼ぐのは難しい

実際にKindle書籍を出版してみたことで、書籍出版で稼ぐことの難しさを理解しました。

出版社を通してリリースする書籍よりもKindleの方が印税率は高いとはいえ、一般人が書いた本はそこまで爆発的に売れません。月の印税で言えば、かなり人気が出て数万円程度、多くの方は数百円〜数千円程度に収まるのではないでしょうか。

反対に言えば、SNSなどで数万人以上の熱狂的なファンを抱えている方は、フォローされている分野の書籍を出せば大きく稼げる可能性もあります。

売れ筋ランキングやレビュー数で人気が丸わかりになる

Kindle書籍は、どの書籍も「売れ筋ランキング」の順位が自動的に掲載されます。

自分は幸いにも、いくつかのカテゴリで売れ筋ランキング1位やベストセラーを獲得できましたが、戦略的に出版しなければ全然売れずに埋もれる可能性があります。またレビュー数や評価内容も一切隠せませんので、人気度も丸見えです。

売れている本が目立つ一方で、売れてなさも目立ちますので、心が折れるかもしれません。

本当に嫌になったら販売停止・削除もできますが、売れているかどうか周りから丸見えになってしまうのは、デメリットになりうるポイントです。

悪質なレビューが付く可能性がある

出版した書籍にレビューをもらえると基本的には嬉しいのですが、残念ながら嫌がらせのようなレビューが付くことがあります。そして多くの場合、削除申請などをしてもAmazon側は取り合ってくれません。(ガイドラインの基準が曖昧で、ジャッジもレビュー投稿者側に寄っている傾向にあります)

これがSNSなら嫌な返信を受け取ってもブロックできますし、自分のブログならコメント削除すれば終わりですが、Kindle出版だとそういうわけにもいきません。

どうしても悪質なレビューを消したい場合は、弁護士に相談して情報開示してもらい、レビュー者本人に削除を依頼するような方法を取る必要があります。

Kindle出版に便利な無料ツール

Kindle出版を行うために便利なツールをご紹介しておきます。

基本的にすべて無料で利用できますから、すべて自分で作業すれば、やはり元手は0円です。

文書作成ツール

まずは書籍を制作する文書作成ツールを用意しましょう。

基本的には「見出し」「目次」が設定できるツールであれば、なんでも構いません。こだわりがなければ、下記いずれかのツールなら無料で使えて便利です。

  • Pages(macに標準インストールされている文書作成ソフト)
  • Google Document(無料で使えるGoogleサービス)

どちらもKindle出版する際に適したファイルである「.Epub」形式で出力できますから、作成した書籍を手間なくアップロードできるのもメリットですね。

画像編集ツール

書籍の表紙画像を作成するために、画像編集ツールも押さえておきましょう。

まったく無料で使える代表的なWebツールには「Canva」があります。他にも簡単な画像編集ツールならPCに標準装備されていますから、好きなものを使ってください。

なお表紙画像は「2,560 × 1,600ピクセル」が、もっとも理想的なサイズです。KDPには他にも「A+コンテンツ」として書籍販売ページに宣伝画像を掲載できる機能もありますから、画像編集にはある程度こだわると良いでしょう。

Kindle Previewer

Kindle出版に対応しているファイル形式の「.epub」や「.mobi」などを開くには、Amazonが無料でリリースしている「Kindle Previewer」が便利です。

文書作成ツールで作った書籍が、Kindleで正常に見れるか確認するために必要ですから、文書作成ツールと一緒に導入しておくと良いでしょう。

Kindle Comic Creator

「.mobi」形式のファイルを作成するなら「Kindle Comic Creator」も便利です。

「.epub」形式なら、PagesやGoogleドキュメントからそのまま出力できますが、「.mobi」は専用ツールを使う必要があります。

これももちろん無料で使えますから、場合により導入しておきましょう。

Kindle出版の方法と流れ

Kindle出版の方法を、実際に出版する流れに沿ってご紹介していきます。

1. 書籍を制作する

まずは出版する書籍を制作します。テーマを決めて、ある程度のページ数にまとまるよう文書作成ツールで作っていきましょう。

だいたい100ページ〜200ページくらいのボリュームがあるのが一般的ではありますから、このくらいを目処に企画・制作してみることをおすすめします。

2. 表紙を制作する

なければ絶対に出版できないわけではありませんが、表紙用の画像ファイルも制作しておきましょう。表紙画像がない本はなかなか売れませんし、見栄えもよろしくありませんから、せっかくなら用意しておいてください。

私はフォトショップで制作しましたが、例えば無料ツールのCanvaなどを使っても十分に作れます。

もし自分で制作するのが難しければ、ココナラなどで依頼すれば数千円で作ってくれる方がいますから、ぜひ用意しておきましょう。

3. KDPに登録する

書籍と表紙画像が用意できたら、KDPに登録してアカウントを作成します。氏名や住所、電話番号、印税の受け取り口座などを登録しておきましょう。

もちろん、書籍が出来上がるまでに前もって登録しておいても問題ありません。

アカウント登録が済めば、書籍の登録に進みます。

4. 書籍情報を登録・アップロードする

いよいよ、Kindle出版する書籍の情報を登録していきます。

「詳細」「コンテンツ」「販売価格」の3項目を登録していくことになりますが、基本的に画面の指示に従えば難しいことはありません。

なお「コンテンツ」のところで書籍ファイルをアップロードした際、Amazon側でプレビュー画面を作成するのに数十分の時間がかかります。焦らず待ちましょう。

5. 承認後、出版される

一通りの情報を登録したら、Amazonの審査が入ります。私が実際に登録したときは、だいたい半日くらいで審査が完了していました。

基本的に、販売を開始する3日前にはファイルをアップロードしておく必要がありますから、そのスケジュール感は覚えておきましょう。

審査が終われば、いよいよ販売開始です。出版日を指定していればその日に。指定していなければ、即時にAmazonの本棚に書籍が並びます。

Kindle出版で多くの人に読まれるための注意点

Kindle出版、それ自体の方法はシンプルです。根気よく書籍を制作すれば、多くの方が販売までは漕ぎ着けられるはず。

しかしその先にある「多くの人に読んでもらう」という目的を達成したい場合は、いくつかの注意点をおさえて書籍制作・販売を行っていきましょう。

ほどよく需要のあるテーマで制作する

そもそも書籍は、多くの人に需要があるテーマがないと読まれません。とはいえ需要があっても、ライバルが多い激戦区のジャンルだと、それはそれで他の本に埋もれてしまう可能性があります。

(ただし多くのフォロワーやファンがいる場合、その方々に売れることを見越して激戦ジャンルで戦っても良いかもしれません。一般人がKindle出版するときの注意点だと思ってください。)

例えば「小説」は、かなり難しいかもしれません。有名作家の書籍がたくさん並ぶ中で、販売するのは至難の業です。一方でビジネス書はトレンドもありますし、ジャンルによっては個人でも十分に戦える隙間があります。

まずはそれなりに情報を求めている人が多く、とはいえライバルの多すぎないテーマを見つけて制作すると良いでしょう。

書籍のタイトル・表紙画像にこだわる

多くの人に読んでもらうには、いざAmazonの本棚に並んだときに、ある程度目立つ必要があります。

どれだけ本の中身が良くても、興味を持たれなければ売れません。他の本に埋もれない程度には、タイトルや装丁にはこだわりたいところです。

そのジャンルの書籍の表紙やタイトルを研究して、手に取ってもらいやすいものを検討しましょう。

カテゴリ設定を工夫する

Kindle出版では、カテゴリの設定がかなり大切です。

ライバルが多すぎるカテゴリに登録すると埋もれやすくなってしまいますし、かといってライバルの少ないカテゴリでは、そもそも需要がありません。

そしてカテゴリ内で自動的に「売上ランキング」が作られるため「自分の本が勝てるカテゴリ」を見つけるのが大切です。最大で10個までカテゴリを設定できますから、ここも戦略的に考えておきましょう。

KDPセレクトに登録する

Kindle出版には「KDPセレクト」というシステムがあります。

これは書籍をAmazon専売にして、ある程度平均的な価格に設定する代わりに、印税や宣伝面で優遇してもらえるシステムです。基本的には登録しておくと良いでしょう。

KDPセレクトに登録するための具体的な条件は、下記の通りです。

  • Amazon専売にする
  • 価格を250円〜1,250円の範囲で設定する

この条件を守り「KDPセレクト」に登録することで、下記の優遇を受けられます。

  • 印税が販売価格の70%になる
  • Kindle Unlimited読み放題の対象作品にできる
  • 無料キャンペーンを活用できる
  • 割引キャンペーンを活用できる

何かこだわりがなければ、活用すると良いでしょう。

著者ページやA+コンテンツも活用する

Kindle出版では「著者セントラル」「A+コンテンツ」など、書籍の販売ページをリッチにするツールが色々と用意されています。

いざ書籍のページに訪れてくれた方に、実際に購入まで進んでもらうには、読もうと思えるだけの「信頼性」が必要です。その手助けになるのが、詳細な著者情報や、本の内容をビジュアルで説明するようなコンテンツです。

ぜひ活用して、リッチな販売ページを制作しておきましょう。

無料キャンペーンを打つ

きわめつけは、無料キャンペーンです。

KDPセレクトに登録しておけば、90日に一回「最大5日間」の無料キャンペーンを打てます。もちろんそこでダウンロードされた分の印税は入らなくなりますが、多くの方に読んでもらうことで書籍の知名度を上げ、評価やレビューを一気に集める効果が期待できます。

無名の作家が書いた書籍だと、なかなか最初は手に取ってもらえませんので、定期的に無料キャンペーンで宣伝していくと良いでしょう。

まとめ

Kindle出版は、やろうと思えば誰でも本を出版できる素晴らしいシステムです。

自分の労力さえ割けるなら費用も無料で、ビジネス的なリスクがほぼありません。特に普段ブログを書いている方なら、制作自体は割と簡単にできると思います。

文章力のトレーニングにもなりますから、ぜひKindle出版にチャレンジしてみてください。

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