ダッシュ記号とは?日本語文章における意味や使い方、出し方を解説

当記事では、日本語文章で使われる「ダッシュ記号」について解説します。

ダッシュ記号の意味や使い方などをわかりやすくご紹介しますので、文章執筆の参考にして下さい。

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たくろー
Webディレクター
ライティングから編集、校正、ディレクション、SEO対策、アクセス解析、撮影、画像編集、Web制作と、なんでもやってるwebディレクターです。
現在はIT企業でインハウスSEO担当兼、メディア運営責任者・編集者として働きながら、札幌でWebライティングの講師として活動。「良いWebライターが増えれば仕事が楽になるなぁ」と思いながら、一人でひっそりと文亭を運営中。著書『Webライターが書いてはいけない文章28選』

ダッシュ記号とは

ダッシュ記号とは、余韻を持たせる表現や言葉の区切りとして使われる「くぎり符号」のこと。

もっとも一般的なダッシュ記号はemダッシュ「—」と呼ばれるもので、文中で使うときは慣例的に2つ続けて「——」として用いられます。

なおダッシュ記号には「—、–、〜」とさまざまな種類があり、それぞれ用途が異なるのもポイント。

さらには長音符「ー」やハイフン「-」など紛らわしい記号も多いため、各記号の役割の違いもあわせて押さえておくと良いでしょう。

ダッシュ記号の出し方一覧表

ダッシュ記号とそれに類似する記号の出し方を一覧でまとめました。

記号名称macの出し方Winの出し方
emダッシュshift+option+「-」ctrl+alt+「-」
enダッシュoption+「-」ctrl+「-」
波ダッシュshift+「-」shift+「-」
ハイフン「-」「-」
長音符「ー」「ー」
マイナス「マイナス」で変換「マイナス」で変換
水平線コピペ推奨コピペ推奨

どれも同じような記号に見えますが、例えばemダッシュ水平線を並べると「―—」のように違いがあることがわかります。

なお閲覧媒体により表示フォントが変わりますので、特にスマホだとまったく同じ記号に見えるかもしれません。一応、以下に違いがわかるスクリーンショットを掲載しておきます。

記号の違い

また一般的に「ダッシュ」と言えば「emダッシュ」のことを指しますが、本当に大切なのはemダッシュにこだわることではなく、そのサイトや誌面の中で使う記号を統一して表記ゆれを避けることです。

例えば水平線をダッシュ記号として使う媒体もありますし、それはそれで意味が通じるなら問題ありません。

各記号の「くぎり符号」としての意味見栄えなども考えながら、どの記号を使うのか決めておくと良いでしょう。

ダッシュ記号の種類と用法

ここでは3種類のダッシュ記号について解説します。

それぞれ意味や用法が異なりますので、特に表記にこだわる必要のある方は、一通り理解して使用していって下さい。

ダッシュ記号の種類
  • emダッシュ「—」
  • enダッシュ「–」
  • 波ダッシュ「〜」

「—」emダッシュの用法

emダッシュは、日本語の文章においてもっとも一般的に使われるダッシュ記号のこと。

文化庁が昭和21年に発表した『くぎり符号の使ひ方』では「ナカセン」の名称で呼ばれていましたが、現在は欧米にあわせた「emダッシュ」が一般的な名称になっています。なお線が欧米フォントの「m」と同じ長さであることから、この名称で呼ばれています。

そんなemダッシュですが、主に下記5種類の用法で用いられます。

1. 余韻を持たせる

例:汽車はゆっくりと進み始めた——

2. 発言をかわし、含みを持たせる

例:「それは——まあ良いだろう」

3. 時間や距離の経過をあらわす

例:札幌——東京——名古屋——大阪

4. 「すなわち」の意味をあらわす

例:スマホ——板状の通信機器は、今や誰もが持っている。

5. 注釈として文を挟む

例:私の仕事——ライターや編集業をしている——は、どうしても運動不足になりがちだ。

6. 副題をあらわす

例:おすすめの冷蔵庫10選—プロが選んだ厳選アイテム—

その媒体にもよりますが、一般的に副題をあらわすときだけは単体で、それ以外は2つ重ねて使われます。文章の一部として使用する際は2つ重ねる、と覚えておくと良いでしょう。

「–」enダッシュの用法

enダッシュ「–」は、主に範囲をあらわす際に用いられるダッシュ記号。

文化庁が昭和21年に発表した『くぎり符号の使ひ方』では「ツナギテン」の名称で呼ばれていた記号ですが、現在はemダッシュと同様、欧米にあわせた「enダッシュ」が一般的な名称になりました。なお欧米フォントでは線の長さが「n」と同じということで、enダッシュの名称で呼ばれます。

そんなenダッシュは、下記の用法で用いられます。

数字と数字の範囲を示す

例:「100–200」であれば、100から200の範囲を示す。

言葉同士の関係性(並列、対照、方向、対立)を示す

例:空路の「Sapporo–Okinawa便」など。

多くの方が上記のシチュエーションで「ハイフン」を使っていると思いますが、表記にこだわるのであればenダッシュを使用することをおすすめします。

「〜」波ダッシュの用法

波ダッシュ「〜」は、emダッシュとenダッシュを兼ね備えたような役割を持つダッシュ記号。

またemダッシュやenダッシュは音読時は無視されますが、波ダッシュは「から」と発音されることがあるという特徴を持ちます。

そんな波ダッシュは、主に下記の用法で使われます。

1. さまざまな範囲を示す

例:「札幌〜沖縄」「10時〜24時」「10個〜20個」

2. 省略の符号として使う

例:「東京、大阪、〜〜」

3. 発信元を示す

例:「〜文亭」

4. 語尾の伸びを示す

例:「あ〜〜、それは大変」

5. 音楽が流れていることを示す

例:「♫〜」

6. 罫線として使う

例:〜〜〜第二章〜〜〜

7. 副題を示す

例:おすすめの掃除機10選〜家電マニアが選ぶのはコレ〜

なお1と3の用法では「から」と発音します。

ダッシュ記号と間違われやすい記号

次に、ダッシュ記号と似た形で間違われやすい記号の意味や用法をご紹介します。

どのような違いがあるのか、知っておいて下さい。

「―」水平線

水平線「―」は、メディアによってはemダッシュの代わりに用いられる記号です。

しかしはっきりとした用法が決まっておらず、キーボードからも呼び出せないため、装飾としての意味合いの強い記号だと言えます。

「-」ハイフン

ハイフン「-」は、英文にて単語と単語を接続する際に使われる記号。また多くのプログラミング言語では「マイナス」の意味で用いられる記号でもあります。

  • 単語の接続:writing-ability
  • プログラミング言語のマイナス:10-3

「−」マイナス

マイナス「−」は、文章内にて計算式の「マイナス」を示す際に用いられる記号です。Win、Macともにキーボードから直接は打てませんので「マイナス」で変換して出して使って下さい。

このマイナスは全角の記号ですので、他の計算記号「+、=」なども全角のものを用いましょう。

  • 100−30=70

「ー」長音符

長音符「ー」は、会話文の語尾を伸ばす際や、ダッシュの代わりに装飾に用いられることのある記号。「伸ばし棒」とも呼ばれます。

全角で”ー”を押せば出る、ごくベーシックに使われる記号です。

「疲れたよー」

まとめ

ダッシュ記号は、文章表現に深みを出すために用いられるくぎり符号です。

表現にこだわりたい場合や、ライターとして原稿執筆する際は、他の似た記号と間違えないように使っていきましょう。

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