セールスライティングとは?基本の型と書き方を基礎から解説

今回はセールスライティングについて解説します。

ランディングページや商品紹介ページで文章を書くときには、セールスライティングを習得しておけば便利です。しかも、ビジネスメールや手紙など「誰かに何かをしてほしいとき」なら、いつでも役立つ技術でもあります。

書き方のコツや型をご紹介しますので、ぜひ練習してみてください。

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\ この記事を書いた人 /

たくろー
Webディレクター
ライティングから編集、校正、ディレクション、SEO対策、アクセス解析、撮影、画像編集、Web制作と、なんでもやってるwebディレクターです。
現在はIT企業でインハウスSEO担当兼、メディア運営責任者・編集者として働きながら、札幌でWebライティングの講師として活動。「良いWebライターが増えれば仕事が楽になるなぁ」と思いながら、一人でひっそりと文亭を運営中。著書『Webライターが書いてはいけない文章28選』

セールスライティングとは

セールスライティングは、人に狙った行動をおこさせる文章の書き方です。

結果的に「物を売る」という目的で使われることが多いのですが、本来はもう少し広い意味を持つ執筆技術ですね。

たとえば商品のランディングページ、カーディーラーから送られてくるセールスレターなど、日常で目にするさまざまなシーンで「セールスライティング」のテクニックが使われています。

コピーライティングとの違い

コピーライティングとは、顧客と商品の接点を作る文章の書き方を指す言葉です。

「イメージコピー」「セールスコピー」の2種類があり、その場面や商品によって使い分けることになります。

ただし広義の意味では、あまりセールスライティングと明確な区別をつけずに使われる言葉でもあり、その時々によってニュアンスが異なる場合があります。

「コピーライティングをお願いします」と言った仕事の依頼などでは、中身をよくよく確認すると良いでしょう。

セールスライティングの書き方

セールスライティングの書き方におけるコツをご紹介します。

今回は「フィットネスジムへ新規顧客を呼び込むランディングページ」を書く例を挙げながらまとめました。

1. 目的を決める

まずはセールスライティングを用いて、対象にどんな行動をおこさせたいのか決めます。

例えば「プランに申し込んでもらう」「問い合わせてもらう」「体験に来てもらう」といった複数の目的があるとして、それぞれ書き方が大きく変わってきます。ランディングページを見た人に、どんな行動を起こさせたいのか絞って考えましょう。

まずはセールスライティングの目的となる、行動の着地点を決めることが大切です。

2. 誰に書くか決める

また、誰に対して書くのか明確にしておくことも大切です。

もちろん、本音を言えば老若男女全員を呼びたくなるところですが、欲張ると誰にも刺さらない文章ができあがります。対象は絞りましょう。

例えばジムなら「太ももが気になる人」「ヒョロヒョロの体をどうにかしたい人」「スムーズに動けなくなってきた人」「いま通っているジムの料金に満足していない人」など。

「こんな悩みをもっている人」という切り口で考えて、セールスライティングで文章を届ける対象者を明確にしましょう。

3. 訴求ポイントを絞る

どのように訴求するのか決めておく必要もあります。

そのジムのいいところをすべて並べても、輪郭がぼやけて訴求力が弱まってしまいますから、ここでは「相手の悩みを解決できる訴求ポイント」を考えることが大切。

例えば「マシンが地域で一番揃っている」「トレーナーが大会入賞者」「料金が安い」など、様々な特徴がある中からギュッと絞っていきましょう。

読んだ人が「自分ごと化」できるように、対象の顧客にだけ刺さるような訴求ポイントを考えるのがコツです。

4. 解決できる課題を具体的に示す

対象者や訴求ポイントを明確にしたら、解決できる悩みを具体的にしておくのも大切です。

たとえば「なんとなく太ももが気になってきた」では、解像度が荒すぎます。

「去年買ったディオールのデニムが入らなくなってきた」「トレンドのボリューム袖を着たら、腕が余計にゴツく見えてしまった」こんな風に、その対象者が生活する中でリアルに感じる悩みを、具体的に解決できると示すことが大切です。

もし想像がつかない場合は、実際に悩んでいる人にヒヤリングしたり、アンケートを取ったりと、意見を調査することも視野に入れましょう。

5. 機能ではなくベネフィットを伝える

実際に執筆するときには、機能ではなく、その人にとってのベネフィットを伝えるのも大切です。

例えばフィットネスジムを訴求するときに「ランニングマシンを30台用意しました」では、正直それがどれほどすごいことなのかわかりません。

しかし「たとえ安くても機材の揃っていないジムだと、お昼の時間帯は順番待ちが大変です。うちのジムなら、いつ来ても待ち時間なく有酸素運動を楽しめます」と、ランニングマシンがたくさん用意されているベネフィットを示せばどうでしょうか。今のジムに納得していない人を呼び込めるかもしれません。

機能やスペックをそのまま書くのではなく、それが読者にとってどういいのか書く意識で執筆していきましょう。

セールスライティング基本の型

セールスライティングには、いくつか決まった型があります。

基本的には、これらの型のいずれかを踏襲して書いていくと良いでしょう。

PASONAの法則

PASONAの法則は、世の中の多くのセールスレターで使われる型です。

下記5つの言葉の頭文字を取ったネーミングです。

  • Problem = 問題提起
  • Agitation = 扇動
  • Solution = 解決策
  • Narrow down = 絞り込み
  • Action = 行動

ある悩みを提示して「このままだと大変なことになるかもしれませんよ」と不安を煽り、その後に「でもこの商品なら解決できますよ」と購買行動へと促すセールスライティングの型になります。

新PASONAの法則

実はPASONAの法則は、少々見直されてきています。不安を煽るようなセールス手法が、あまり良くないというところもあったのかもしれません。

新PASONAは、下記の通りです。

  • Problem = 問題提起
  • Affinity = 親近
  • Solution = 解決策
  • Offer = 提案
  • Narrow = 絞込
  • Action = 行動

AgitationがAffinityにかわり、対象者の悩みに寄り添うような流れのストーリーになりました。Offerも増えて、より丁寧に提案するような流れになっています。

現代の日本では、こちらの新PASONAの法則の方が受け入れられやすいかもしれません。

BEAFの法則

BEAFの法則は、端的な商品紹介などでよく使われるセールスライティングの型です。

  • Benefit = メリット
  • Evidence = 根拠
  • Advantage = 競合優位性
  • Feature = 特徴

たとえば雑貨ECサイトの商品ページなどは、大体上記のような流れで文章が書かれているはずです。

ランディングページのような縦に長いページではなく、コンパクトなページに向いている型ですね。

まとめ

セールスライティングは、商品を買ってもらったり、申し込んでもらったり、問い合わせをしてもらったりと、読者に狙った行動を起こしてほしいときに役立つ手法です。

SEOとはあまり相性が良くありませんが、販売ページにはぴったりです。

ページごとの役割を明確にして、書き方を上手に使い分けていきましょう。

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