「抑える」と「押さえる」の違いとは?意味や用法、使い分け方を解説

この記事では「抑える」と「押さえる」の違いについて解説します。

簡単に言えば「量」に関することは「抑える」を。それ以外の場面は「押さえる」を検討すると良さそうです。記事やビジネスメール、マニュアル作成など様々な場面で使う言葉ですから、ぜひ適した用法を「押さえて」おきましょう。

なお、こういった言葉を「同音異義語」と言います。間違いやすい同音異義語は下記の記事にまとめてありますから、併せて参考にしてみて下さい。

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\ この記事を書いた人 /

たくろー
Webディレクター
ライティングから編集、校正、ディレクション、SEO対策、アクセス解析、撮影、画像編集、Web制作と、なんでもやってるwebディレクターです。
現在はIT企業でインハウスSEO担当兼、メディア運営責任者・編集者として働きながら、札幌でWebライティングの講師として活動。「良いWebライターが増えれば仕事が楽になるなぁ」と思いながら、一人でひっそりと文亭を運営中。著書『Webライターが書いてはいけない文章28選』

「抑える」と「押さえる」の違いと使い分け方

「押さえる」と「抑える」には、下記のニュアンスの違いがあります。

  • 押さえる:物理的に支える場面、理解を促す場面、支配下に置く場面などに使う
  • 抑える:何かの量を一定よりも少なく保つようなニュアンスで使う

実際に「おさえる」を文章に使用する際、何かの量を少なく保っておきたい場合は「抑える」を。それ以外の場合は「押さえる」を使えば適した用法になることがほとんどです。

例えば「感情」は目に見えませんが「高まる(昂る) or 静まる」という概念のある言葉です。「感情をおさえる」場合は、量を低く保つという意味と捉えて「抑える」を使うと良いでしょう。

他の例で言えば「テキストに書いてある要点をおさえる」場合は「理解する」ニュアンスと考えて「押さえる」を使うのが適した用法になります。
しかし同じ「学習」のシーンでも「一度に学習を進めるのは10ページ程度におさえておきましょう」なら、量を低く保つというニュアンスですから「抑える」が適しています。

各言葉の持つ意味を理解した上で、適切に使い分けていきましょう。

「押さえる」の意味と用法

「押さえる」の意味は、辞書では下記の通り定義されています。

  • ものが動かないように、押し付けて力を加える
  • 対象の動きを封じる
  • 自己に属するものとして確保する
  • 大切なところをしっかり理解する
  • 相手から盃を差されたとき、それを止めて相手に飲ませる

(出典:デジタル大辞泉

上記の通り、かなり幅広い意味を持ちます。文章執筆や日常生活で使う用例をご紹介しておきます。

用例
  • 扉が閉まらないよう押さえておく
  • 犯人を取り押さえる
  • 飛行機の席を押さえる
  • ポイントを押さえる

基本的に、モノゴトの量について言及する場面ではない「おさえる」は「押さえる」の表記を検討すると良いでしょう。

「抑える」の意味と用法

「抑える」の意味は、辞書では下記の通り定義されています。

  • ある水準以上には高まらないようにする
  • スポーツで、相手の勢いをとどめる
  • 感情・欲望などが高ぶるのをとどめる

(出典:デジタル大辞泉

上記の通り、基本的に量を低く保つような場面で使うのが「抑える」です。用例は以下の通り。

用例
  • 食事の量を抑える
  • 強豪チームを相手に、0点に抑えた
  • 感情を抑える

まとめ

「押さえる」と「抑える」は、コツを”押さえれば”使い分けのしやすい言葉です。

量を低く保つニュアンスは「抑える」を。それ以外で「おさえる」場面は基本的に「押さえる」を検討して下さい。そのシーンごとに、より適した表現を使っていきましょう。

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