この記事では「時期」と「時季」と「時機」の違いについて解説します。
簡単にまとめると、特定の期間を指すときは「時期」を。季節的な期間を指すなら「時季」を。チャンスやタイミングのニュアンスなら「時機」を使うと良いでしょう。
なお、こういった言葉を「同音異義語」と言います。間違いやすい同音異義語は下記の記事にまとめてありますから、併せて参考にしてみて下さい。
「時期」と「時季」と「時機」の違いと使い分け方
「時期」と「時季」と「時機」には、下記の違いがあります。
- 時期:特定の期間
- 時季:季節的な期間
- 時機:あることを行うのに丁度良いタイミング
クリスマスを例に解説します。
- 「時期」
-
クリスマスの「時期」は出費がかさみ、いつも金欠気味だ。
- 「時季」
-
クリスマスは、イルミネーションがぴったりな「時季」だ。
- 「時機」
-
付き合って3回目のクリスマス。プロポーズにふさわしい「時機」がきた。
使い分け方だけを見ると、少々あいまいで難しいかもしれません。各言葉の意味を、ご自身の中で噛み砕いて理解していただくのが大切です。
意味の違いを押さえたうえで、適切に使い分けていってください。
「時期」の意味と用法
「時期」の意味は、下記の通りです。
- その時。そのおり。
- ある幅をもった時。期間。
(出典・参考:デジタル大辞泉)
具体的な用法は下記の通り。
- 四月は異動や人の入れ替わりが多く、何かと慌ただしい時期だ
- この時期はいつも花粉で鼻がムズムズする
- 寒い時期は外に出るのが億劫だ
「事をするには早すぎる」という意味で使われる四字熟語「時期尚早」の「じき」もこの「時期」です。「期間」や「時」と覚えると良いでしょう。
「時季」の意味と用法
「時季」の意味は、下記の通りです。
- 季節
- 1年のうち、そのことが盛んに行われたり、そのことに最もふさわしかったりする時期
(出典・参考:デジタル大辞泉)
具体的な用法は下記の通り。
- 寒くなってきて、鍋が美味しい時季が到来した
- この時季旬の野菜をいただく
- 時季はずれのサンマは少し小ぶりだ
「シーズン」と言い換えることもできますね。
「時機」の意味と用法
「時機」の意味は、下記の通りです。
- 何かを行うのによい機会
- しおどき
(出典・参考:デジタル大辞泉)
具体的な用法は下記の通り。
- 相手が油断している時こそ、攻めの一手を打つ時機だ
- 彼女にプロポーズするのに良い時機を伺っている
- 慎重になりすぎて、良い時機を逃してしまった
チャンスや、タイミングという意味で使うと良いでしょう。
まとめ
「時期」と「時季」と「時機」は、なかなか使い分け方の難しい言葉です。
場合により、英語で認識しておくと分かりやすいかもしれません。下記のようなニュアンスの違いになります。
- 時期は「period」
- 時期は「season」
- 時機は「chance」
言葉の意味を理解して、シーンごとにより適した表現を使っていって下さい。