今回はフリーランスWebライターの働き方にフォーカスしながら「Webライターという仕事のきつさ」をテーマにお話します。
Webライターとして仕事を始めるのは簡単ですが、満足に仕事をとって暮らしていくには様々な「きつさ」を乗り越えるターンが必要。
どんな仕事でも同じですが、Webライターにも「下積み時代」はあるのだと考えておいて下さい。
当記事では「Webライターがきつい」と言われる理由や、そもそも向いていない可能性がある人の特徴、きつさの乗り越え方まで、Webライター兼現役編集者が解説していきます。
フリーランスのWebライターがきついと言われる理由

フリーランスのWebライターは、特に最初は戸惑うことも多い仕事です。
ひとえに「未経験から始める方が多い」のが大きな原因ですので、やはり未経験からプロの世界に踏み出すには、きつさを乗り越えていく必要があると考えておくと良いでしょう。
まずはフリーランスのWebライターがきついと言われる理由を、5つに整理して解説します。
仕事に100%の正解がない
Webライターの仕事には、100%の正解がありません。そんな特性から、何度も何度も修正依頼を出されて「きつい」と感じる初心者Webライターが多いという実情があります。
例えばエンジニアの仕事では、顧客の要望にあった仕様を納期までに実装できれば問題ありません。しかしWebライターのように「文章」を取り扱う仕事だと、その良し悪しの判断にどうしてもクライアントの主観が入ってきます。
基本的には指示書通りに書けば問題ないのですが、特に初心者は「暗黙の了解」や「基礎知識」がわからない場合が多く、思わぬ修正依頼を受けて消耗することが少なくありません。
しかし慣れてくれば「ある程度の正解」がわかってきますので、最初はそういうものだと割り切って、きつさを乗り越えていきましょう。
最初の1案件を獲得するまでがつらい
クライアントから見ると、ライターによって大きく納品物(原稿)の質が変わることがわかっているため、基本的に実績のないライターには任せたくありません。
もしこれがプログラミング案件なら、簡単なコーディングの仕事なら誰が書いてもほぼ同じ仕様になることが多いのですが、ライティング案件では「文章の良し悪し」に大きさ差が出てきます。
そういった背景があるため、フリーランスのWebライターは最初の1案件を獲得して実績を作るまでがとてもきつい仕事です。これは事実としてある、Webライターが「きつい」と言われる理由ですね。
収入面で安定しない
フリーランスのWebライターの仕事は、1記事ごとの納期が1週間程度と短いことが多く、安定した大型案件を受注しにくいという特性があります。
またエンジニアの仕事と比較しますが、プログラムを書く仕事だと3ヶ月や半年のタームで開発案件を受けることも多く、そういった意味では比較的先の見通しを立てやすい仕事と言えます。
特にWebライターはクライアントとの信頼関係が重要になるため、実績がついてくれば比較的良い仕事を受けやすいというメリットはありますが、やはり初心者にとっては「きつい」環境かもしれません。
しかしそれも最初だけですので、そういうものだと割り切って乗り越える必要があります。
すべて自己責任になる
これまでアルバイトや正社員として働いてきた方にとって「仕事のミスが100%自分の責任になる」というフリーランスの働き方は、Webライターの仕事が初体験になります。
契約した以上、ミスは全て自分が責任を持って修正する必要がありますし、納期遅れなんてもってのほか。一つの仕事で悪い評価を受けてしまうと、それが今後のライター活動の足を引っ張り続けることにもなりかねません。
当然ではありますが「仕事に対する責任が重い」ということが、気軽な気持ちでWebライターの仕事を始めた方にとっては「きつい」と感じる要因になっています。
教育してくれる人がいない
これはフリーランス全般に言えることですが、まわりに教育してくれる人がいないのが「きつい」と感じる理由の一つです。
これが会社員やアルバイトなら先輩や上司が丁寧に仕事を教えてくれますが、フリーランスとして働く以上そうはいきません。あくまで一人のプロとしてその他大勢のプロライターと同じ土俵で勝負することになります。
もちろんクライアントも先生ではありませんので、案件を引き受けた以上、教わりながら仕事をするようなことは許されません。
自分一人で調べたり努力したりしてスキルアップしていくのが難しい初心者Webライターにとっては、身近に教えてくれる人がいないことが「きつい」と言われる理由になります。
Webライターをやめた方がいい人の特徴。こんな人にはきついかも?

次に、Webライターがきついと言われている理由をもとに「こんな人はWebライターに向いていないかもしれない」と感じる特徴をまとめました。
もちろんこれが100%ではありませんが、あくまでイチ編集者の立場から見た「Webライターとしての適正」のような部分を解説していきます。
「要約」が苦手な人
Webライターの仕事には「要約する力(読解力)」がとても重要です。
例えばサービスレビュー記事だと「このサービスは要するにこんなメリットがある」「つまりこんな人に向いている」といったように、特徴を自分の中で整理してわかりやすくまとめる必要があります。
これができない人は、公式サイトの文章をただそのまま使って説明したり、どこかで見たような表面的な情報だけを並べた記事を書いたりしてしまいます。
そうするとクライアントから修正指示を受けることに繋がり、結果的に消耗して「きつい」と感じることが少なくありません。
要約が苦手で、かつ要約力を鍛える努力をしたくない人は、Webライターには向いていないと言えるでしょう。

1から10まで教えてもらいたい人
フリーランスWebライターの仕事には先生や上司がいません。基本的には全てのスキルを自分で身につけながら、たまにクライアントからもらうフィードバックも踏まえてスキルアップしていく必要があります。
そんな特性上、自分で物事を調べて解決するのが得意ではない方や、自分から何かを学ぶ意欲のない方には向いていない仕事かもしれません。
Webライターという仕事に興味を持ち、自分なりにステップアップしていきたい意欲のある方だけが成功できる仕事だと言えます。
スケジュール管理ができない人
Webライターの仕事には、明確な納期があります。
例えば「10記事を1ヶ月で納品して下さい」と依頼された場合に、それは最低限守るべきルールです。
なお「月に10本」という依頼は、暗黙の了解として「週に2〜3本ずつ納品していって下さいね」という話でもありますので、最終納期を守ることはもちろん、定期的に納品できるようペース配分を考えねばなりません。
実は月の終盤になって慌ててまとめて納品してくるライターが多いのですが、これはクライアントからの印象がよくない代表例です。
クライアントの都合に合わせたペースで納品できるよう、スケジュールを自己管理できる人でなければ、Webライターの仕事は難しいと言えるでしょう。
安定したアルバイト感覚で働きたい人
Webライターの仕事は、特に最初のうちは安定とは無縁です。
よって自分の力で営業して稼いでいくことにキツさを感じる方は、素直にアルバイトなどをした方がストレスなく安定して稼げるケースが少なくありません。
フリーランスのWebライターは気軽に始められる良い副業ではあるのですが「安定しているのか、稼げるのか」という話になると、スキルや営業力に大きく左右されることも事実です。
フリーランスのWebライターという仕事に求めることが「安定」であれば、少し考え直した方が良いかもしれません。
きつさよりもメリットがある!Webライターとして働く利点

次に、Webライターとして働くメリットについて解説していきます。
色々な「きつさ」や「向いていない人の特徴」なども伝えてきましたが、Webライターは軌道に乗ればとても楽しい仕事。ぜひチャレンジしてみて下さい。
手に職がつく
Webライターの仕事は、実績を積めば「自分の腕一本」で稼げるようになる、まさに手に職がつく仕事です。
もちろん努力して日々スキルアップしていくことは必要ですが、その分、頑張った後のリターンは普通にサラリーマンとして働くよりも大きいかもしれません。
フリーランスのWebライターという働き方は「会社に頼らず、自分の力だけで食っていけるスキルを身につけたい」という方にとって、良い選択肢の一つになるでしょう。
人気ライターになれば大きく稼げる
Webライターは最初の頃こそ受注できなくてきつい仕事ですが、実績を積んで人気が出てくれば、大きく稼げる可能性もある仕事です。
例えばSEOライティングやセールスライティングの実績が豊富にあれば、1原稿5万円のLPの仕事、1記事2万円でコンスタントに発注がある企業オウンドメディアの仕事など、良い条件の仕事を選べるようになる可能性が少なくありません。
ぜひ実力と人気を兼ね備えた、価値あるWebライターを目指していきましょう。
サイト運営で稼ぐ力も身に付く
Webライターとして「Webで書くスキル」を身につけることは、自分でブログやWebサイトを運営しても稼げる力を獲得することに他なりません。
自分のサイトを立ち上げて集客して、アフィリエイトやコンサルティングサービスなどで稼ぐWebライターはとても多いのです。
筆者も運営している個人ブログで生活費を賄えるくらいの収益をあげており、かなり生活は豊かになりました。
そもそもWebライターとして働くならブログ運営は必死ですので、ぜひサイト運営にも同時にチャレンジしてみて下さい。
人間関係やコミュニケーションが最低限で済む
Webライターという仕事は、人間関係が最低限で済む仕事です。
もちろん取材記事などの依頼を受けるようになればまた話は違ってきますが、普段のコミュニケーションはクライアントの担当者と文章でやりとりをする程度。実際にあって接待をしたり、仕事の兼ね合いで飲みにいったり、そんなことは必要ありません。
人間関係を最低限に抑えたいという方にとっても、Webライターはかなり魅力的な仕事だと言えるでしょう。
Webライターのきつい時期を乗り越える方法

それでは最後に「Webライターのきつい時期」を乗り越える方法やコツをお伝えしておきます。
本質的な話でいえば「はやく初心者を抜け出す」「スキルアップする」ということに他なりませんが、ぜひ愚直に努力しながら、下積み時代を乗り越えていってください。
ブログで発信し続けて実績を増やす
満足に仕事が取れないWebライターにとって、ブログは自分の実績やポートフォリオになる生命線です。
ブログで発信することで「文章力」や「要約力」あるいは「Webライティング」の能力など、Webライターに必要なスキルの多くが磨かれます。
それを実績として掲載することで案件に結びつくこともあれば、ブログから仕事が舞い込んでくることもありますので、ブログでの発信は常に続けていきましょう。

根本的な文法知識や文章力を鍛え直す
「なかなか仕事が取れない」あるいは「修正が多くてきつい」と感じている段階のWebライターは、まずは根本的な文法知識、文章力を見直すところから始めましょう。
正直なところ、まともな文章さえ書ければ1記事3,000円程度の案件は十分にこなせます。それができないということは、文章力に何かしら問題があると考えておきましょう。
ぜひ基礎から見直してみて下さい。
ビジネスマナーを見直す
「1記事の仕事は取れるようになってきたけど、継続受注ができない」という方は、ビジネスマナーに問題がある可能性も考えられます。
記事自体は及第点でも、普段のチャットでのやりとりで最低限の敬語が使えなかったり、ビジネス上の提携文句が使えなかったりすると、継続なんてしてもらえません。
例えば以下のような言葉は、自然に使えるようにしておいてください。
- お世話になっております
- 申し訳ございません
- 承知いたしました
- かしこまりました
- お忙しい中恐れ入ります
反対に「すみません」「わかりました」などと書いてしまっている方は、おそらくそれが原因でクライアントからの印象が悪くなっています。
文章を仕事のする以上、ビジネスの上でも適切な言葉遣いや敬語が使えるようになっておきましょう。
修行と割り切り、細かく稼いで実績を積む
「全く仕事が取れない」という初心者のWebライターは、高望みしている可能性があります。とにかく安い仕事をこなして実績を積むことも検討しましょう。
クライアント側も安い仕事は「初心者向け」だと割り切って依頼していますので、そこまでのクオリティを求められないことがほとんど。反対に言えば「初心者ライターの文章の価値はその程度」だと割り切って、まずは安い案件で実績を積んでいくのもおすすめです。
「まずはやってみる」というのも大切ですので、検討してみて下さい。
SNSやコミュニティでライターの知り合いを増やす
個人的にはあまりおすすめしませんが、どうしても孤独感を感じるという方はSNSやコミュニティで仲間を増やすことも良いかもしれません。
ただそれが「初心者Webライター同士の馴れ合い」になってしまったら意味がありませんので、あくまで一緒に切磋琢磨できる方、前を向いて頑張り続けている方などと、良い距離感で付き合うと良いでしょう。
そんな方は財産になると思いますので、一人で黙々と作業するのがきついと感じる方は、仲間を作ることを検討してみて下さい。
まとめ
Webライターはきついと言われる仕事ですが、それはやはり「下積み時代」の話です。
正社員やアルバイトと違ってレールが敷かれているわけではありません。向こうから順番に仕事が回ってくるなんてことはありませんので、ぜひ愚直に努力を続けてスキルアップしていきましょう。
発信を続けて良い文章が書けるようになれば、きっとクライアントからも信頼される良いWebライターになれるはず。
そんな価値あるWebライターを目指していって下さい。