今回は、IP分散サーバーとして人気のレンタルサーバー「IQサーバー」について解説していきます。
通常のWebサイトを運営するにはあまり適さず、まさにサテライトサイト運営専用とも言えるようなサーバーです。
そんな少し特殊なサーバーの特徴や使い方について、実際に使ってみたレビューを交えながらまとめました。
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IQサーバーとは


IQサーバーは、株式会社エムフロが運営するIP分散サーバーです。
一般的なWordPress向けレンタルサーバーと違い、サーバーに加えて「IPアドレスを借りる」といったイメージで利用します。国内・国外のさまざまなIPアドレスを持つサーバーがレンタルできるようになっており、設置するWebサイトのIPをばらけさせたい方が活用しています。
なお同じサービス内に通常のレンタルサーバー「クイッカ」もありますが、こちらはIP分散サーバーではありません。サテライトサイト運営用ならば「IQサーバー」のサービスを利用してください。
IQサーバーの特徴


IQサーバーを実際に使ってみて感じたことをもとに、他の一般的なレンタルサーバーとも比較しながら、サーバーの特徴についてまとめました。
設定項目は最低限
IQサーバーには、細かな設定ができるコントロールパネルが用意されていません。なにか細かく設定してこだわって運営するというよりも、複数のサテライトサイトを効率よく管理・運営するのに特化したインターフェイスになっています。
一般的なWordPress向けレンタルサーバーとは違って「使いやすい・使いにくい」といった議論の外にある、上級者向けのものだと考えておいた方が良いかと思います。
PHPバージョンを変更しにくい
少々気になるのが、PHPのバージョン管理が容易にはできないことです。(少なくともコントロールパネルからはできず、頑張ればできるのでしょうか?)
執筆時点では標準で7.3系統のPHPバージョンが使われており、WordPress最新バージョンもSWELL最新バージョンも普通に動いてはいるものの「PHPの更新を推奨」のアラートが出ています。
WordPress設置に特化したようなサービスですから、今後の更新については考慮してくれると思いますが、PHPバージョン管理に関するアナウンスがないのはデメリットに感じました。
IP・ドメインが一覧できてわかりやすい
複数のサテライトサイトを管理運営するのに特化したサービスだけあって、設定しているドメインやIPアドレスがセットごとに一覧で確認できる仕様になっています。
この点はとても便利で、複数のサテライトサイトを管理運営するうえでは他にない強みを持っているサーバーだと感じます。
スピードはかなり遅い
具体的には、WordPressログイン画面にてログインボタンを押してから、10秒くらい経ってようやくダッシュボードにつながります。
記事入れやサイトの表示にも同様に時間がかかりますので、まともに記事を書いたりSEOで上位を狙ったりするには力不足なサーバーです。
あくまで複数のIPアドレスで複数のサイトを効率よく管理運営できるレンタルサーバーだと認識しておいてください。
IQサーバーの使い方


IQサーバーの使い方について解説していきます。
とくにネームサーバーの設定まわりで、慣れていないと少しクエスチョンが出るかもしれませんので、ひととおりまとめておきました。
1. 登録
まずはIQサーバーのアカウントを登録します。公式サイト「新規お申し込み」からメールアドレスを入力して認証し、基本情報を入力して登録を済ませてください。
2. IPセットを選んで購入
登録が終われば、IPセットを選びます。国内・海外のIPがセットになったものが複数売りに出されていますので、好きなセットを選びましょう。
まず国内・海外どちらのIPを使うか選び、その中から具体的にどのIPセットにするかさらに選びます。
「国内 or 海外」さえご自身で決めれば、IPセットはどれでも良いかと思いますが、追加で借りる際は分散させた方が良いかと思います。
3. ドメインを設定する
借りたあとは、利用できるIPを一覧画面で管理できます。
おそらく初期ドメインで運営する方はいないと思いますので、まずは独自ドメインを設定します。


上記のように「ドメイン」を選んで独自ドメインを入力して「上記の内容で変更」を押せば完了です。
4. ネームサーバーを設定する
ドメインを設定したら「DNS」を開きます。
するとDNSサーバー情報が表示されますので、ドメインのネームサーバー設定1〜4へと上から順番に設定します。


なお普通のレンタルサーバーなら「ns-ai1-conoha.io」「ns-ai2-conoha.io」など連番になっていることが多いのですが、IQサーバーはIP分散サーバーという都合上、さまざまなアドレスが混在しています。
最初は戸惑うかと思いますが、これがDNSアドレスで間違いないので入力しましょう。
5. SSL設定ボタンを押す
とくに必須ではありませんが「SSL(未設定)」のボタンを押すことで簡単にSSL化ができます。
- ただしhttpに繋ごうと思えば繋げられてしまいますので、常時SSL化にするには.htaccessにリダイレクト設定を記述するか、常時SSL化用のプラグイン(Really Simple SSLなど)を導入する必要があります。
個人的には設定後に数時間経ったらSSLボタンを押してみて、SSL化が完了すればネームサーバーが向いていると判断して、WordPress設置に移行しています。
「SSL(未設定)」から「SSL(設定済み)」に変われば完了しています。
6. WordPressを設置して運営する
ネームサーバー設定やSSL化の設定が終われば、WordPressを設置します。
「WordPress」のボタンを押してインストールを押せば、勝手にインストールされて初期設置画面へと移行します。(サーバーがかなり重くて時間がかかりますので、連打しないことをおすすめします)
あとは通常どおり、WordPressにてサイト運営していきましょう。
IQサーバーの料金


IQサーバーの料金形態は「1セット10IP」の通常プランと「1セット3IP」のライトプランに分かれており、また国内IP、海外IPそれぞれ費用が変わります。
料金プランや支払い方法について解説していきます。
料金プラン
基本料金は下記のとおり。
料金 | 国内IP | 海外IP |
---|---|---|
通常版 (10IP) | 3,386円/月 40,642円/12ヶ月 | 1,452円/月 17,424,円/12ヶ月 |
ライト版 (3IP) | 1,219円/月 14,638円/12ヶ月 | 523円/月 6,283円/12ヶ月 |
国内IPと海外IPで倍以上の差がありますが、やはりリンクにこだわる方には国内IPが人気かと思います。
12ヶ月契約なら通常料金の5%オフになっていますので、長く運営する予定なら12ヶ月契約がおすすめです。
支払い方法
クレジットカード、コンビニ決済、銀行振込、ペイパル決済が利用できます。
クレジットカードはVISA、マスターカード、JCB、アメリカンエキスプレスに対応しています。
無料期間
IQサーバーは、10日間無料のお試し期間がついています。
例えば1ヶ月などでひとまず使ってみる分にはさほど高くありませんし、無料期間もありますので、一度利用してみてはいかがでしょうか。
IQサーバーの口コミ・評判


ここではIQサーバー利用者の評判を、良い口コミ・悪い口コミに分けてご紹介していきます。
IQサーバーの良い口コミ・評判
今日は、先週確保した中古ドメインのサーバーへの登録。IQサーバーを使っています。ちりつもで、現在IP290個・・・DNSも、2、3分で反映するのでお勧めです
出典:Twitter
多サイトはIP分散サーバーが最強「IQサーバー」はコストも安い
出典:Twitter
IP分散サーバーの中では比較的使いやすく、コストもお手頃ということで根強いファンがいました。
自演リンクなどの施策が流行らなくなってきていて、どんどん利用者は減っているようには思いますが、まだまだ使われていることがわかります。
IQサーバーの悪い口コミ・評判
IQサーバーいじるのくっそ面倒くさいやんけ…
出典:Twitter
DBからPHPに飛んで中身書き換えるだけだけど
こんなのサーバー管理がやれ!!
IQサーバーを選ばなかった理由は、1IPにつき1個しかドメインを設置できないためです。10IPでも10個まで。一方123サーバーは高いなぁ、と思ってCIPサーバーにしました。
出典:Twitter
やはりサーバーの深い部分の設定や、ドメイン設定まわりに不満を持っている方がいました。個人的にもPHPバージョン管理の件は困った経験があり、ここはデメリットです。
しかしそれ以外はさほど悪い評判はなく、SEO界隈で有名な方々もIQサーバーは活用している印象です。まずは10日間無料で使えますので、まずお試ししてみてはいかがでしょうか。
IQサーバーはサテライトサイト運営に最適
国内で安定して使えるIP分散サーバーは、IQサーバーの他には123サーバーやCIPサーバーくらいしかありません。
個人的にはIQサーバーが使いやすくておすすめですので、複数のサテライトサイトを運営する際は、ぜひ検討してみてください。

